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カーキ色ってどんな色??

カーキ色と言っても一言では括れません。写真にある色はすべてカーキです

“カーキ”と聞いてどんな色をイメージしますか? 実は、スタイリストや編集者でもきちんと把握できていない人がけっこういます。先に答えを言ってしまえば、サンドベージュ、ブラウン、オリーブ、ミリタリーグリーンもすべて“カーキ”。懐が広過ぎて、人や状況でイメージが変わるという訳です。

辞書で“カーキ”を引くと“暗い黄味の赤。枯草色 (三省堂 大辞林)”とあります。語源はペルシャ語の“khāk (=土埃)”。そこからヒンディー(語)の“khaki (=土埃色の)”となり、それが英語でも使われるようになったようです。

きっかけは19世紀後半に遡ります。オランダ系アフリカーナーであるボーア (ブール) 人との戦争で英国軍が惨敗したのですが、その大きな敗因が軍服の色でした。目立つ鮮紅色が格好のターゲットとなってしまったイギリス軍に対し、“カーキ”色の農作業服を着ていたボーア人は周囲に馴染み、見つけづらかったのです。その後、ゲリラ戦で発見されにくい“カーキ”が軍用カラーとして定着。広義では、砂の色、土の色、森の色をすべて“カーキ”と呼ぶようになりました。ミリタリーのイメージが強い反面、もともとはアースカラーなので、男らしくもナチュラル。士官服を連想させる品格も持ち合わせ、多面的な魅力を備えています。

ちなみに、ちょいワルなモテおやじの草分けと言える作詞家・作曲家・映画監督・俳優のセルジュ・ゲンスブール氏が愛用していた色としても“カーキ”は有名。彼の写真集でも“カーキ”がキーワードのひとつとして採用されています。そんな歴史も踏まえ、今ではおしゃれに不可欠な色。褐色の肌にオリーブを載せればこの上なくワイルドですし、サンドベージュのスーツやジャケットを着こなせたら至極エレガントにまとまります。 (撮影:石井幸久)

このページは2013年10月23日時点の情報です

メンズファッション

平 格彦

ライター、編集者、コラムニスト、[着こなし工学]ファウンダー。
出版社を経て独立。『Men’s JOKER』などの雑誌やウェブマガジンなどで執筆し、これまでに関わってきたメディアは50以上。
メンズファッションに関わってきた約20年の知見をベースにしつつ、着こなしの方法を科学的、多角的に分析して体系化している。

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