特集
国産靴は“文化”だ!◆SESSION 03:「靴磨き職人列伝」

輝きを放つ5人のシューシャイナー

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「靴を磨いて、男を磨け」などと、手アカのついた常套句を使うつもりはないが、ビジネスマンの多くが革靴にこだわりを見出すわりには、シューシャイナーを訪ねてきちんと磨いてもらっている人はそう多くはない。

腕利きの職人によって手入れされた靴は、輝きを取り戻し、主の足型や歩き方にフィットするように生まれ変わる。より美しく、より長く、そしてより愛情を込めて使っていけるよう、シューシャイナーの技が靴を昇華させる。

紳士靴が「国産靴2.0時代」を迎えたように、シューシャイナーたちも新しい時代を迎えようとしている。従来の路上で磨くスタイルから、店舗を構えてもてなすスタイル、セレクトショップでオーダーを受けるタイプとさまざまだ。

ファッションライター・倉野路凡が都内の5人のシューシャイナーを訪ねると、それぞれに独自の輝きを放つ個性的なスタイルが見えてきた。

 

撮影:山田英博   文:倉野路凡

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画像:maestro┃松室真一郎 UNITED ARROWSが認めた職人

◆門外不出、秘伝のオリジナルクリーム


松室真一郎さんとお会いするのは久しぶり。相変わらず精悍な顔つきでいい感じだ。松室さんはビスポークシューシャイナーとして独立して以来、独特の磨き方を続けている。一般的なクリーナーや油性ワックスを使わないのが特徴で、光らせるだけのワックスてんこ盛りの磨き方には警鐘を鳴らしている。

「オリジナルの乳化性の靴クリームを使うだけです。革の奥深くに浸透し、栄養を与えると同時にツヤも出ます。現在でもこの靴クリームは他社に依頼することなく、自分自身で調合して作っていますよ。もちろんレシピは秘密です」と笑う松室さん。

この秘伝のオリジナル靴クリームの色数は15色ほどあり、磨く靴の色に合わせて使い分けている。
 

画像:3

布はコットン100%に限定。市販されている肌着のきめの細かさや肌触りをチェックし、理想とするものを購入して靴磨き用に使用している



今回お願いしたのはその場で10~15分かけて磨く「クイックシューシャイン」。そのほかに預かりサービスもあり、各店舗への持ち込みも受け付けている。こだわっているのは靴クリームだけではない。磨く布にもこだわりがあり、いろいろな布を試しながら、使い込んだところで、顧客の靴に使用している。布に靴クリームをつけて洗うなど、時間をかけて様子を見るのだそうだ。肌着に使われるコットン布が、現在のところ松室さんのスタイルには最適とのこと。

9月下旬からは、今回お邪魔した「ユナイテッドアローズ 六本木 メンズストア」で靴磨きのコーナーが常設になるそうだ。靴にこだわる客層からも絶大な支持を得ているという証だ。

 

画像:4

同じ靴を2足持っていて交互に磨きにくるというお客さまもいる。松室さんの磨きは、そんな靴への愛情に応えるような輝きを放つ

 

◆「maestro」松室真一郎のワザ


オリジナルの靴クリームを少量取り、サッと磨いていく。古い靴クリームを取り去り、新しい靴クリームを入れていく感じだ。左右を一度磨いて、しばらく浸透するのを待つ。再び磨いて完成。コテコテのワックス仕上げとは違う輝きだ。日々の手入れは、絞った濡れた布で拭き取るだけでOK。

 

 

 

DATA

maestro┃UNITED ARROWS ROPPONGI MEN’S STORE
住所:東京都港区六本木6-10-3六本木ヒルズ ウェストウォーク 2F ※
TEL:03-5772-5501
営業時間:11~21時(土曜は22時まで)
定休日:無休
料金:2000円~
URL:http://www.maestro-jp.com ※外部サイト

※「maestro」は、6月の木曜日「ユナイテッドアローズ 六本木 メンズストア」に出店。そのほか「バーニーズニューヨーク 銀座店」「ユナイテッドアローズ 丸の内店」など曜日によって異なる。詳しくは「maestro」HPのスケジュールを確認。

 

 

★★★「maestro」スタッフ募集★★★
「maestro」ではスタッフを募集中。年齢、性別、経験不問。靴はもちろん、ファッションが好きでやる気のある人、体力に自信がある健康な人は、maestro@maestro-jp.comまで。

 

 

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この情報は2016年6月1日現在のものです。

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