連載

熱い料理のクールな一面◆vol.6 冷やし親子丼、始めました。

特製おすましと合体して、清涼感あふれる逸品となった極上親子丼

夏真っ盛り。ただでさえ熱い男たちがさらに熱くなったら、むさ苦しい……! 本連載「男の"熱"メシ」は夏季限定で冷やしメニューをお届けします。「気持ちは熱く、食事はクールに!」ということで、定番料理の “冷やしバージョン” をご紹介します!

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「この箸でかき混ぜると3回で卵が混ざるんです」とまず道具を説明された。ご主人はもともと有名ホテルの和食料理人。そこで爆発的に人気となった親子丼で勝負しようと築地に店を構えた。間口一間の店になっても情熱は全く変わらず、むしろこだわりは増すばかり。卵は1個ずつグラム数を計り、たれの甘みも糖度計で計った上で味見をして、味の安定につとめる。主役の鶏肉は徳島の阿波尾鶏で、なんと“炙り”の技術で商標登録までとった。

 

ある冬の日、渾身の思いで作っている親子丼に、温かいスープをかけて食べる客が現われた。一瞬、複雑な気分になったものの、そこから逆の発想が生まれた。冷たいおすましとだし氷で夏に楽しめる『冷やし親子丼』を完成させたのだ。

 

まず美しく仕上がった親子丼を食べる。味わい深い米、濃厚な卵、そして噛み締めると肉と皮の間からジワッとにじみ出る鶏の旨味がたまらない。思わず全部食べてしまいたくなるが、少し残してお茶漬けにチェンジする。パワーのあるどんぶりが上品な出汁と一体となり、スルスルとのどを通る。ピリリと効いた本わさびの後口がまた清々しい。吟味され尽くした素材と、綿密で繊細な御主人の技。魚の街で海鮮丼ではない極上の丼にありつけた。

 

写真:内山めぐみ

 

 

【夏季限定の冷やしメニューをお届け!】
「気持ちは熱く、食事はクールに」ということで、定番料理の “冷やしバージョン” をご紹介!

 

◆vol.1 三段階の美味しさ!夏限定冷やし天丼
◆vol.2 リゾート気分が味わえる冷やしカレー
◆vol.3 冷たいイカシウマイはファン垂涎の人気
◆vol.4 冬の代名詞おでんは冷やしても美味い
◆vol.5 冷やしてもうまかった!?冷やしカツ丼!
◆vol.7 夏のたこ焼き革命!冷たいたこ焼き
◆vol.8 年中食べたくなる冷やしカレーうどん

DATA

南ばら亭

住:東京都中央区築地4-14-14|TEL: 03-3248-8085|営:10時~14時30分|休:水曜日|価格:阿波尾鶏炙り親子丼&冷やしおすましセット(1900円)|提供期間:7月初旬~9月末|URL:http://nanbara-tei.jp/ ※外部サイト

川手 優子

ライター

川手 優子

東京生まれ、フリーライター業。“活力と笑顔が湧いてくるコストパーフォンマンスに優れた飲食店”を探索するのがライフワーク。毎月、第3水曜日にスポーツニッポンにて「酒とニクの日々」を連載中。

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この情報は2015年9月1日現在のものです。

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