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クラフトビールコラム #12:日本のビール史は200年足らず

ゲルマン民族とともにビールはヨーロッパ全土へ

■ゲルマン民族とともにヨーロッパ全土へ

 

ビールに関する最も古い記録は古代メソポタミアまで遡る。紀元前3000年前後、楔形文字で描かれた粘土板には、シュメール人のビール造りをする様子が残されてた。ほかにも、エジプトに伝わる「死者の書」やピラミッドの壁画にもビール醸造の風景が残されていることから、ビールは神聖な飲み物であったことが推測できる。

 

実際にビールが誕生したのは農耕がはじまった紀元前8000年〜4000年頃と考えられており、古代のビールは一度焼いたパンを砕いて、水を加えて自然発酵させたもので、「シカル」と呼ばれていた。パンを使わず、麦に麦芽を加工して造るようになったのはゲルマン人に伝わってから。その後、4〜5世紀頃、ゲルマン民族大移動によって、ビールはヨーロッパ全土へと広がっていく。

 

 

■日本のビールの歴史は200年に満たない

 

ビールが広く飲まれるようになったとはいえ、今のように完成度が高かったわけではない。修道院などが領主となる中世時代に入り、醸造に関する知識をもった修道士や僧侶たちによって、次第に質の良いビールが作れるようになっていく。

 

11世紀後半には、香りをつけるために「グルート」というハーブが使われるようになった。12世紀に入ると、殺菌力が高く、爽やかな苦味をもつ「ホップ」が登場し、グルートを席巻していく。1516年、ドイツのバイエルンで「ビール純粋令」が出されたことを契機に、ほとんどのビールにホップが使われるようになり、さらに品質が安定し、少ない原料で多くのビールが造れるようになった。

 

ちなみに、日本へビールが来たのは明治時代。江戸時代にも長崎の出島などでビールは伝わっていたそうだが、一部の人しか飲めないものだったそう。明治3年(1870年)には、横浜のスプリング・バレーブルワリーが誕生。商業的にビールが造られるようになり、より多くの人に親しまれるようになっていく。ヨーロッパに比べると、まだ200年にも満たない日本のビールの歴史。歴史は浅くても、これから新しいビールが誕生していく土壌は整いつつあるだろう。

 

 

文:橋村望

 

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この情報は2018年7月25日現在のものです。

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