連載
消えたオトコ社会 生きづらい世界で俺たちは

男が男からの承認をほしがるのは、会社に所属している感覚がほしいから

⬛同性からの評価を得ようとしているのは未熟な証拠

 

名越:最近は、「発達段階」という言葉が使われなくなっていますが、「異性性愛」というのは人間が発達するなかで、わりと成熟し安定したところで達する段階なんです。成熟しているから偉いというわけではなくてね。異性愛者の人が安定して幸せを享受する段階が「異性性愛」だとするなら、「同性」にばかり気がいってしまっている状況というのは、成熟の手前でブロックされている状態。

 

フロイトの理論(※1)で言えば、一番最初に口唇期というのがある。口にものを入れると気持ち良いから、赤ちゃんはおっぱいを吸うわけです。その次に、肛門期へと進んでいく。つまり、排泄が快感になる。溜め込んで出すという快感がない人は、溜め込むばかりになってしまうんです。

 

二村:健康なウンコを大量に出すのは、大人でも気持ちいいですもんね。「ケツの穴が小さい」って慣用句がありますけど、もしかして便秘気味の人はケチだって傾向あったりします? 下痢しがちな人はお金をパーッと使っちゃうけど、使い方が下手だとか。

 

名越:ははは(笑)。それは精神科医じゃなくて内科医の話でしょ。でも、どこかで繋がっているかもしれない。金回りの悪い人のことをそう言いますもんね。

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同性に評価されたいのは「所属」感覚がほしいから

 

名越:肛門期を踏まえたうえで、性器の愛へと発達するわけです。つまり、肛門期までは男も女も変わらないんですよ。

 

でも、性器って、女性器にしても男性器にしても「過感覚」なんです。過剰な感覚。触られるとか、擦られるって最初は苦痛なわけです。その痛みが、だんだんと快感に変わってくる。本当の快感というのは、痛みを乗り越えたときなわけ。

 

しかも、成熟するに従って、女性の場合は、可能性としてですけど濡れてもいないのに挿入されるかもしれないし、そこまでなくともいわゆる生理的に嫌な思いをさせられるかもしれない他者とも日常仲良くする必要がある。男性以上に恐怖、痛み、苦痛を乗り越えなくてはいけない。さらに、年を経て

苦痛の中身が高度になっていくんです。それを乗り越えていくにつれて、快感も大きくなっていく。

 

ところが、今ここで問題になっている人たちは同性に意識が向かっているわけでしょ? どこかでブロックしている可能性がある。何度も言いますけど、同性愛はまったく悪いことじゃないです。ひとつの性の在り方ですから。でも、異性愛者なのに同性のほうを向いていて、同性からの評価を得ようとばかりしているのはどこか短絡的な感じですね。

 

二村:そうなってしまうのは、男女ともに同性の集団のほうが、類型的な「男であること」や「女であること」を評価してくれるからなんですかね。

 

名越:それも確かですけれど、「所属」しているかどうかの不安じゃないかな。「自分はちゃんと男社会に所属しているのか?」みたいな。

 

二村:確かに、人間はどこにも帰属意識が得られないと不安になりがちですよね。勤め人は組織の中で、とにかく成果を出そうとがんばりすぎる。その状況にくたびれ果てたとしても、そこでしか承認を得られない。でも、本当に辛くなったときや「やばいぞ」と感じたときに、人生を考え直す勇気を持てない環境なのは、不幸ですよ。

 

※1:フロイトの理論……精神医学学者・ジークムント・フロイト(1856年~1939年)。口唇期、肛門期、男根期(エディプス期)、潜伏期、性器期と分けられる5つの性的発達段階を主張した

 

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この情報は2017年3月8日現在のものです。

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