連載
熱い男たちの金言を聴け!

陰口は言わない。「株式会社リンクアンドモチベーション」麻野耕司の信念

30~40代の男たちはまさに働き盛り。ビジネスの最前線で活躍する彼らには、これまでの経験で培ってきた熱い思いがある。それはときに「金言」となって、部下や取引先を魅了する。ビジネスシーンで体験した熱いエピソードと、そこから生まれた彼らが胸に秘めている「金言」とは何なのか。

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前回の「株式会社ラクスル」代表取締役・松本恭攝から“熱い男”のバトンを引き継いだのは、「株式会社リンクアンドモチベーション」の麻野耕司だ。新卒で入社し、当時最年少で中小ベンチャー企業向け組織人事コンサルティング部門の執行役員に着任、その後も国内初の組織改善クラウド「モチベーションクラウド」を立ち上げ、急成長させてきた。これまでの実績の根底にあるのは、高校時代の部活経験だそうだ。常に「世の中のモチベーションを上げることばかり考えている」と話す麻野の胸には、一体、どんな金言が隠されているのだろうか。

■部活で思い知ったモチベーションの効果

 

世界で初めてモチベーションにフォーカスし、組織変革を実現する経営コンサルティング会社、それが「株式会社リンクアンドモチベーション」だ。麻野耕司は入社以来、自身の会社作りに奔走してきた。現在は「MEカンパニー 執行役員 カンパニー長」として、中小ベンチャー企業向けの組織人事コンサルティングや国内初の組織改善クラウド「モチベーションクラウド」の立ち上げに尽力している。

 

「僕はとんでもない運動音痴なんです。にも関わらず中学校で友達に誘われて入部してしまったのが、バレーボール部。絵に描いたような弱小チームで、もちろん公式戦で勝ったことはありません。そして、そんな部の補欠が僕。3年生のときの引退試合で、監督は最後のピンチサーバーとして僕をコートに送り出してくれましたが、僕が打ったサーブはネットにも届かなかった。これが中学時代唯一の試合出場記録(笑)」

 

高校生になり、この悔しさを晴らすべく再びバレーボール部へ。ただし、そこには厳しい監督が待ち構えていた。

 

「阪神エリアの高校は6部リーグまであります。入部したときわが校は6部でしたけど、卒業するころには2部まで昇格していました。ちなみに僕の学校は中高一貫校でしたので、メンバーはほぼ変わっていません。弱小チームが、監督が教えてくれたチームプレイによって生まれ変わったんです」

 

6部から2部へ昇格したほどである。当然ながら練習も試合もキツかったと振り返る。監督が採り入れた戦法は徹底した役割分担。個の強みを活かし、連携を強めることで、弱みを補うというものだった。麻野に課せられたのはレシーブ。来る日も来る日もボールを受け続けた。

 

「サーブが届かなかった僕をはじめ、運動神経が良いとは言えないメンバーでしたが、モチベーションやチームワークによって、成果がガラリと変わってしまうことを実感しました」

 

「理不尽の繰り返しだったなぁ」と笑顔を見せる麻野だが、この経験こそが、麻野にモチベーションやチームワークをさらに追求したいと思わせた。そして就職先に「リンクアンドモチベーション」を選ばせたのである。

 

■自分と他人を同一視し、部下を失った過去

 

「僕は24時間、モチベーションについてばかり考えています。どうすれば世界中の組織に属している人のモチベーションを上げられるのだろう、そういう目的意識を持って過ごしています。そうすると、ある情報が飛び込んできたときに、これは使えそうだと気づくことができる。どんな仕事も目的意識を持っていれば、情報をキャッチすること、応用することは容易になってくるものです」

 

モチベーションについて考え抜く麻野だが、いや、考え抜いていたからこそ、他人との軋轢や失敗があったと振り返る。

 

「24時間仕事のことを考えている前提で、部下に接していたこともありました。他人のモチベーションを下げる一因に自分と他人を同一視して『なんでやってくれないの? なんで分からないの?』というのが挙げられますが、僕がやっていたのはまさにこれ。『僕は麻野さんみたいにできません』と部下から言われて、辞めてしまったこともありました」

 

こうした失敗を経て、それぞれ個人が大事にしていることは大事にしてもらう。そのうえで、仕事をしていくスタンスを取るように心がけているという。

 

■モチベーションとチームワークなくして、成果は上がらない

 

日本ではモチベーションとテンションをはき違えている場面も見受けられると話す。

 

「モチベーションとは対象があって初めて成立する言葉です。日本のビジネスシーンでは、モチベーションの高い人を、明るく賑やかな人と捉えがちです。これはテンションが高いことであり、テンションが高い人が、仕事への意欲を維持できるとは限りません。一方、無口でも仕事に対するモチベーションは高いという人は多いのです」

 

この差を理解し、きちんと人材を見極めたいものである。そしてもうひとつ、重要な点がチームワークである。

 

「A、B、C、Dの4人のチームであれば、個々人の関係性がパフォーマンスに作用します。たとえばAさんがいつも会社の文句ばかり言っているとすると、B、C、Dにマイナスの影響を与えますし、Aさんが上に立つ人ならばさらに影響は大きくなる。4人の相互関係を健全に保つためのリンク、つまり協働システムもモチベーション同様に重要なファクターなんです」

 

■円滑なチーム作りに必要なこと

 

そして麻野はチームの健全性を保つために、悪口、陰口を御法度としている。

 

「言いたいことは本人に言う、言えないことは口にしないことをチームに徹底しています。組織は悪口と陰口がなくなると格段に良くなる。もちろん、僕も例外ではなく、部下から面と向かって文句を言われることもあります(笑)」

 

最後に麻野は上司であり代表取締役会長の小笹芳央の言葉を引いて、「『人間』という言葉が現すとおり、問題は人ではなく、人の“間”にある」と続ける。

 

「会社と社員、上司と部下、部署と部署など、さまざまな間に多くの問題が発生していますが、どちらかが悪いというよりも、関係がねじれているだけ。コミュニケーションやマネジメントが変われば、関係は良くなり、モチベーションもチームワークも劇的に良くなります。

 

モチベーションの上げ方、維持する方法が確立できれば、もっと幸せに働ける環境になります。私は今、新規事業である「モチベーションクラウド」という国内初の組織改善クラウドによって、組織の中のあらゆる問題を解決しようと取り組んでいます。そして、それは世界中の組織のモチベーションを上げることになる――それを目指して24時間、考えているんです」

画像:モチベーションとチームワークの相乗効果によって成長は生まれる
麻野耕司(あさの・こうじ)

株式会社リンクアンドモチベーション 執行役員

麻野耕司(あさの・こうじ)

1979年、兵庫県出身。慶應義塾大学を卒業後、「株式会社リンクアンドモチベーション」へ入社。2010年、当時最年少で中小ベンチャー企業向け組織人事コンサルティング事業の執行役員に着任。同社最大の事業へと成長させる。2013年には成長ベンチャー企業向け投資事業を立ち上げ、自らも複数の投資先企業の社外取締役、アドバイザーを務める。現在は新規事業として国内初の組織改善クラウド「モチベーションクラウド」を立ち上げ中。著書に『すべての組織は変えられる~好調な企業はなぜ『ヒト』に投資するのか~』(PHP研究所)がある。

◆次回、登場するのは「株式会社リッチメディア」の坂本幸蔵

麻野耕司よりバトンを引き継いだのはビューティ&ヘルスケア領域のWEBメディアを運営する「株式会社リッチメディア」の坂本幸蔵。新卒で「株式会社サイバーエージェント」へ入社し、28歳で「株式会社リッチメディア」を立ち上げた。「できないことは、何もない」と語る坂本の金言とは?

 

イラスト:森宏      文:小泉庸子

 

 

DATA

株式会社リンクアンドモチベーション

設立:2000年4月

東京本社:東京都中央区銀座6-10-1  GINZA SIX12階

事業内容: モチベーションエンジニアリングによる企業変革コンサルティング、モチベーションマネジメント事業、エントリーマネジメント事業、インキュベーション事業

URL:http://www.lmi.ne.jp/

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この情報は2017年6月3日現在のものです。

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