連載
熱い男たちの金言を聴け!

お堅い企業体質を打ち破る大手・ベンチャーの“二刀流”

挑戦する人とともに未来を拓く

斎藤祐馬は、熱い志を持ち、これまでになかった発想とアイデア、そして新しいビジネスを夢見る新規事業者、“ベンチャーの旗手たち”の牽引役だ。ベンチャーの経営者たちが必要とする支援を幅広く手引きし、世界に通用するベンチャーの伴走者となるのが彼の仕事。

 

大学卒業後に公認会計士試験に合格し、2006年に斎藤氏が入社したのは、プロフェッショナル・ファーム「デロイトトーマツグループ」。だが、彼が本当に専従したかった立ち上げ間もないベンチャー企業の支援事業は当時の同グループにはなく、2010年に同グループで休眠中だった「トーマツベンチャーサポート株式会社」の再立ち上げを担った。

 

ベンチャー企業の成長支援を中心に、大企業の新規事業創出支援、ベンチャー政策の立案に至るまで幅広く手がけ、今では全国23の活動拠点、ベンチャー企業3000社を支援し海外展開も行っている。

 

挑戦する人とともに未来を拓き、世界中の大企業と世界中のベンチャー企業を繋ぐ、世界一のイノベーションプラットフォームを作るのが斎藤祐馬の夢だ。

斎藤祐馬(さいとう・ゆうま)

トーマツベンチャーサポート株式会社

斎藤祐馬(さいとう・ゆうま)

1983年、埼玉県出身。慶應義塾大学経済学部を卒業後、2006年に監査法人「トーマツ」(現・有限責任監査法人トーマツ)に入社。公認会計士としての業務の傍らでベンチャー支援に注力し、2010年にベンチャー支援を行う「トーマツベンチャーサポート」の再立ち上げを主導した。「日経産業新聞」においてコラム「大企業イノベーターへの道」を連載中。「週刊ニュース深読み」(NHK)、「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)などテレビ出演多数。

ON/OFFではなく、High/Lowのギアチェンジ

■“大企業のエース”がベンチャーを立ち上げる

 

斎藤祐馬が新規事業の立ち上げと間近で接したのは、中学2年のとき。父が脱サラをして自身の会社を立ち上げた。黒字にならなければ銀行からの支援はなく、独立することの厳しさを痛感した。

 

「事業の立ち上げは、基本的にJカーブを描きます。有望なベンチャー企業でも事業が上向きになってからでないと銀行の支援を得るのは困難です。日本には健全な大企業が多くある半面、ベンチャーを立ち上げるのに十分なプラットフォームが整っているとは言えない状況にあります。

 

とは言え、大企業のなかから新規事業を起こすのも簡単なことではありません。大企業には技術、人材、資本が揃っていますが、事業の立ち上げの肝となる『マインド』がなく、リスキーなことははじかれやすい。優秀な人が起業するなど社内で新規事業に取り組むインフラは発展途上と言えます」

 

それでも、自身が発起人となった「Morning Pitch」(※)では、“大企業でエースだった起業家”たちが登壇し、今やベンチャースピリットを持った人がアウトローでなくなってきていると言う。社内外問わず、ベンチャーの立ち上げには一定のリスクを伴うが、これまでのキャリアを捨ててでも描く「マインド=ビジョン」を彼らは持っている。

 

※毎週木曜AM7時から開催しているベンチャー企業と大企業の事業提携を生み出すことを目的としたピッチイベント。毎週5社のベンチャー企業が大企業・ベンチャーキャピタル・メディア等のオーディエンス約100名に対しピッチを行う。 2013年1月にスタートし、累計600社超のベンチャー企業が登壇している。

 

■熱量は人から人へ伝播する

 

「企業に属していると、どうしても自分の意志に反して“やらなければならないこと”が多く出てきます。必然的に“やらされている感”が生まれてきて、会社勤めの多くの人はON/OFFの切り替えをするようになります。しかし、ベンチャーを立ち上げる人はずっとONの状態を保ちつつ、High/Lowでギアチェンジをしています。『ビジョン』を持って動いているので、能動的に動けるのです。

 

そして、大企業に技術と人材、資本があるなら、ベンチャーにはマインドとネットワーク、経営スキルがあります。大きな企業であればあるほど、ネットワークは大きいけれど自分たちのルールの枠内の動きになりやすい。経営スキルも大企業に属していると、マネジメントの立場に立つまでには時間を要します」

 

だが、多くの読者諸氏がそうであるように、会社勤めは一家の大黒柱の務めである。家族の心配をよそに、おいそれと「新しい事業を始めるから会社を辞めます」と言えるわけがない。そこで、斎藤氏は企業で活躍し続けたい次世代の旗手たちに「大企業とベンチャーの狭間を駆け抜けろ」とアドバイスすると言う。

 

「大企業内で夢を語れば、確かに共感を得ることができます。ただし、それを実際にサポートしてくれる人はどれだけいるでしょうか。絶えず動き続けられるスタミナ、すなわち熱量を保ち続けるために、社内の人間だけに期待するのは限界があります。

 

大切なのは、社外の自分より“熱い人”に会いにいくこと。熱量は伝播します。僕は最低週5人、自分よりも熱い人に会うようにしています」

画像:大企業とベンチャーの 狭間を駆け抜けろ!

ファッション業界の新しい風を吹かす若手企業家

次回登場するのは、ファッション業界に新しいビジネスモデルを取り入れ挑戦し続ける33歳の若手企業家、山田敏夫氏。フランス留学中、パリの「GUCCI」の販売員を経験。ソフトバンク系列会社で最年少マネジャーに昇格し、満を持して「本当のMade in Japan」ブランドを手がけるため、29歳で「Factolier」を立ち上げた。


イラスト:森宏 文:ヤマダタクリュウ(編集部)
 

DATA

トーマツ ベンチャーサポート株式会社
設立:1997年12月
所在地:東京都千代田区丸の内1-11-1パシフィックセンチュリープレイス
事業内容:ベンチャー企業支援・大手企業イノベーションコンサルティング・官公庁向け政策提言/実行支援
URL:https://www.facebook.com/tvs.tokyo


 

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この情報は2016年7月6日現在のものです。

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