連載
熱い男たちの金言を聴け!

”意思ナシ”サラリーマンをカリスマビジネスマンに変えた金言

ビジネスマンたちの”心の師”

グロービス経営大学院で講師を務める伊藤羊一は、ビジネス界では名の知れた有名人だ。「ソフトバンク」が主宰する孫正義氏の後継者発掘を目的とした「ソフトバンクアカデミア」で数々の名プレゼンを発表。ビジネス媒体各誌からはプレゼンのコツや社員育成の極意について取材依頼を受けるなど、虎視眈々と高みを目指すビジネスマンたちが“心の師”と仰ぐ人物だ。

 

伊藤氏がキャリアをスタートしたのは、新卒で入った大手銀行。160人の同期のなかでもっとも早く課長に昇進した。14年間の勤務のあと、オフィス用品、オフィス家具の流通会社というまったく違う畑に転職した。金融から流通の世界へと、大きなシフトチェンジだった。このとき、伊藤羊一36歳。新しい戦場に挑むと同時に「グロービス」でビジネススキルを学んでいく決意をした。

 

その後、本業で成果を上げながら、「ソフトバンクアカデミア」にジョインし、初年度に200人を超える国内CEOコースのアカデミアンのなかで、年間1位を獲得した。

 

所属会社でNo.2のポストにいながら、社外のビジネススクールに通い続け、現在は、「グロービス経営大学院」で客員教授を務める。そして48歳となった2015年、企業内からリーダー開発を行うため、IT企業に身を転じた。

 

伊藤羊一┃いとう・よういち

グロービス経営大学院 客員教授

伊藤羊一┃いとう・よういち

1967年生まれ。東京大学経済学部卒。銀行、製造流通、ITなどあらゆる業種に、営業、海外事業企画、事業再建・再生、物流、マーケティング、新規事業開発、経営、教育などさまざまな職種として従事。現在は、主にリーダーシップ開発、各種アクセラーレータープログラムにはメンターやアドバイザーとして携わりながら、グロービス経営大学院客員教授では、リーダーシップ科目の教壇に立つ。ソフトバンクアカデミア外部一期生。

「カリスマ性」は育てることができる

伊藤氏は銀行から流通への転職を機に生徒として通い始めた「グロービス経営大学院」で、現在は客員教授として教鞭を振るっている。「ソフトバンクアカデミア」に参加しながら、流通の業界においても、革新的な取り組みで年間数億円のコスト削減や新規事業開発を行い、同カンパニーのNo.2まで登り詰めた。エリートサラリーマンを絵に描いたような経歴だが、本人はそうは思っていないという。

 

「僕自身、正直なところサボり好きなダメサラリーマンでした。とにかく働くのがイヤで遊び狂っていました。20代のときは、うつっぽくなって、家を出ようすると拒否反応でゲロゲロって毎朝戻していたこともありました。学生のときは、流されやすくて友人たちから“意志なしヨウイチ”って言われていたくらい、主体性もありませんでした」

 

まさか、伊藤氏からそんな言葉が出てくるとは思わなかったが、そんな自分を変えることができたのが物流現場での修羅場体験や、グロービスでの学びだった。そうした経験を通じて、確固たる3つの”行動指針”を定めて守っていくことを心に決めた。

 

【1】心を自由に
【2】迷ったらワイルドに
【3】ポジティブにガンガン行こう

 

「3つとも、多くの著名人たちが言っていることです。【1】はスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式のとき、学生に「本能と直感に従え」と言っていた言葉が元になっていて、心を自由にすることは、しがらみに飲み込まれないということ。やりたいことをやるために心を自由にしようと。

 

【2】は、人って大抵、ハイリスクハイリターン(と本人が思っていること)か、ローリスクローリターンか、の選択肢に悩むんですね。いずれにせよ、リターンを得るためにはリスクをとらなければならない。だから、迷ったらハイリスクハイリターンな方を選ぶ。そうすると一歩踏み出せるし、リスクと思っていたことが、実はたいしたリスクではなかったなんてことが多いんです。

 

心を自由にしても、保守的なことをやっていたら仕方がないので、ワイルドな選択をすればおのずと変化する。失敗したら、もう一度やればいいわけですから。

 

【3】はとにかくポジティブに。やっぱりリーダーはポジティブでなくてはならない。「こんなのやってらんね~」と言っているネガティブなリーダーはいませんから」

 

重要なのは、自分の行動に合点のいく然るべき「行動規範」を見つけること。伊藤氏はこの3つの指針を散歩しながら毎晩唱え続けたという。自分のスローガンやモットーを持っているサラリーマンはいるが、習慣化できている人は少ない。

 

「自分のスキルを鍛え、それを行動に結びつけ、行動の成果からさらにスキルやマインドを鍛えていく、というサイクルを回していくことによって30になっても40になっても自らをガンガン成長させていくことができる。

 

このサイクルを回すためのスイッチが『行動規範』であり、まずは行動規範に従い動いてみる。そしてこれを、続けることです。そのためには、『ひたすら自分を見つめる』習慣を作ることが大事です」

 

「自分をよく知ること」。多くのサラリーマンは、就職活動時、「自己分析、自己分析……」とひたすら言われるが、それ以降、業務に追われ多忙を極めるなかで、それほど真剣に自分を見つめることがなくなる。講師を務める「グロービス」でも生徒たちにこの言葉を伝えるという。

 

「自分が何かを見ているとしたら、それを見ている自分を見る。いわゆる『メタ認知』。これを意識して、ひたすら自分を見つめ続けて、振り返る。人からフィードバックを受けたり、対話したり、“ひとり対話”もする。自分が何を考えて、どう行動しているのか見つめるのです。

 

 

講師を務めていると、ほとんどの人が自分のことを振り返っていないとことに気づきました。自分の人生は、自分でコントロールするしかないのに。

 

これでいいんだっけ? そもそも自分は何がしたいんだっけ? なぜ自分は今ここにいて、これをやっているんだっけ? と常に考えていると、振り返りが日常になる。

 

だからこうして喋っている僕も、もう一人の自分が、自分を客観的に見ながらしゃべっている。そうしたことが自然とできるようになるのです」

 

いろいろな人を見てきた伊藤氏だが、『メタ認知』ができている人はごくわずか。できている人の成長スピードは本当に早いという。大リーグのイチロー選手、サッカーの本田圭祐選手が、自分を見つめることで一流になった。高校生の頃は「耳なし芳一」になぞらえて、「意思なしヨウイチ」と呼ばれていた伊藤氏は、“40歳の自己分析の習慣化”によって、後天的に「自らを成長させる力」を獲得した。

 

「先天的な『カリスマ性』や『地頭の良さ』は確かに存在するが、その“個体差”はあとから補っていくことができる。ただし、教育はきっかけを与えるにすぎず、教えて育つものではなく、自分の意識によって初めて変えられるのです。どれだけ自分で気づき、習慣化できるか、これがすべてです」

 

画像:にんげんだもの。みつを

◆伊藤羊一が選ぶ“熱い男”、斎藤祐馬

「どんなタイプの熱い人がいい?」伊藤氏にそう聞かれ、「とにかく熱い方!」とリクエストして後日紹介してくれたのが、「トーマツベンチャーサポート」事業統括本部長の斎藤祐馬氏。2010年に社内ベンチャーとしてトーマツベンチャーサポート株式会社の事業を立ち上げ、3年半で全国20の活動拠点・150名体制への拡大に成功した強者だ。次回は斎藤氏のビジネス論に迫る!

 

 

 

 

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この情報は2016年6月4日現在のものです。

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