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熱男式! 着こなしの“王道セオリー”実践講座 vol.4

「吊るし」の良し悪しを瞬時に見分ける方法

写真は上襟の下にある「ヒゲ」部分をクローズアップしたもの。スーツを新調する際、気軽にチェックできるポイントだ。

 

 

量販店が手掛ける量産型のスーツであっても、価格のわりに真面目に作ったいいスーツは存在する。一概にブランドや価格だけではスーツの良し悪しを判断できないところがあるのだ。似合うスーツ=良いスーツでもあるのだが、作りの良し悪しも良いスーツの条件である。たとえば、ふらり入ったスーツ専門店で、試着せずに簡単に作りの良いスーツを見分ける方法がある。ただし購入することを前提にしている場合は必ず試着し、サイズ感やシルエットなどをチェックすること。

 

しかもこの方法はハンガーに吊した状態のスーツにも有効的なのだ。まずはスーツの上襟を軽くめくってほしい。見るポイントは上襟の端の処理の仕方で、「ヒゲ」(画像上)と呼ばれる生地の折り返しの有無だ。この仕様があるものは作りのいいスーツの可能性が高い。高級既製スーツに多く見られる仕様のひとつだ。

 

もうひとつ見てほしいのが上襟の下に隠れているダーツ「あごグセ」(画像下)だ。このダーツは胸にボリュームを出すためのものであり、立体的に見せる隠し技だ。ダーツの入る角度や長さなどは各社、各縫製工場によって異なる。たとえ高級既製スーツであっても、入らない場合もある。しかし「ヒゲ」と「あごグセ」の両方がある場合は、縫製の行程数が多く、かつ丁寧で、要所手縫いで仕立てられている場合もある。つまりヤル気のあるスーツ作りに取り組んでいる証拠でもあるのだ。

画像:スーツの上襟の下にある「ヒゲ」部分

いずれもビスポークスーツに見られる仕様で、それを既製スーツに反映させているのだ。もし、もう少し上襟をめくり上げる勇気があれば、首の後ろ側の裏地の処理を見てほしい。カラークロスという別布と後ろ身頃の境目の縫製がミシンではなく手で縫われていれば優秀である。ミシンの場合は均等に縫われているが、手縫いだと少し乱れているのでわかりやすい。この仕様もイタリアの高級既製スーツに見られるものだ。

上襟に隠れている2~3箇所のポイントを見れば瞬時にそのスーツのグレードがわかるのだ。もしお手頃価格でこの仕様のいずれかをクリアしていれば狙い目といえる。

 

写真:高橋宏樹

DATA

【ページ最上段の画像の商品】

オルメザーノのフランネルストライプジャケット/4万2120円

トーマスメイソンのオックスハンドメイドドレスシャツ/1万4040円

ウールタイ 杢グレーリングヤーン/7344円

上記商品の問い合わせ先:ユニバーサルランゲージ 渋谷店

TEL:03-3406-1515

URL:http://www.uktsc.com/ul/tops/ ※外部サイト

 

倉野 路凡

メンズファッション ガイド

倉野 路凡

学校法人メンズファッション専門学校を卒業後、アパレルメーカーの企画や商品管理を経験し、ファッションライターに。現在はオーダーメイドのスーツやシャツをはじめ、シューズやバッグ、傘、カフリンクス、腕時計など、メンズクロージングを取り巻くモノたちを探求&探究し、わかりやすく提案している。 「boq」」「モノ・マガジン」「メンズクラブ」「グッズプレス」など多数に執筆。

この情報は2016年1月5日現在のものです。

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