連載
名刺を捨てた女 #地球の広報・旅人・エッセイスト たかのてるこ

私たちはみんな、好きな列車に乗り換えていい

■「たかのてるこ」を育ててくれた会社に感謝

 

上司は「もっと自分を活かせる仕事があると思うけどね」と異動勧告をしたそうだ。

 

「当時はその上司のことを、なんて意地悪なことを言う“悪魔”なんだ!と思いましたけど、今では、自分らしく生きられるように背中を押してくれた“天使”だったんだなぁと思ってます(笑)。もし元会社から『年収100億円出すから戻ってきてくれ』と言われても戻りませんね。まぁそんなこと言われるワケないですけど、いまの方が会社員時代よりも100億万倍、幸せなので」

 

そう言いつつ「私は今世を最後にしたいと思って精一杯生きてるんですが、もし生まれ変わってしまったとしたら、やっぱりまた東映に入ると思います」と続ける。

 

「世間知らずだった私を社会人として育て、成長させてくれたのが会社でしたから。そして、『高野照子』がいたからこそ、『たかのてるこ』も頑張れた。人生に無駄はひとつもないなぁとつくづく思います。どんなことでも人生に活きますから。でも、次の人生があったとしても、やっぱり18年3ヵ月と8日で会社は辞めますね(笑)」

 

二足のワラジを履いていた時代があったからこそ、見えることがある。

 

画像:2枚目

■呪いは自分にもかけている

 

「『フリーで食える人は半分もいないよ』とか『2ヵ月も旅に出たら、仕事来なくなるよ』とか、いろんな人に言われましたが、これって“悪い呪い”になってしまうと思うんです。親切心で言ってくれてるのは分かるんですけど。呪いを口にする人に悪気はないものの、自分自身に劣等感があって恐怖に囚われている人は、無意識のうちに、人にも恐怖を刷り込まんとするんですよね。

 

でも、人はすぐ、誰かに言われた言葉に影響されて、『こんなことしちゃいけないんじゃないか』『自分には無理なんじゃないか』と思い込んでしまう。そんなふうに自分自身に呪いをかけてしまうと、うまくいくモノもいかなくなる!と思って。

 

そんなとき彼女が発揮したのが“聞かない力”だとか。

 

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「会社を辞め、頼るものがなくなった私を守れるのは、自分自身だけだった。私は、恐怖&劣等感ベースのネガティブ言葉を浴びせられそうになると、両耳を塞いで 『ワワワ〜ッ!!』と叫ぶような思いで“呪い”を跳ね返した。自分らしく生きるには、人の話を聞き流す“聞かない力”も大事なのだ(『純情ヨーロッパ』より)

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「『今乗っている列車から、一生降りない!』と決めているのも自分なら、『この列車から降りて、幸せになれるハズがない!』と思い込んで“呪い”をかけているのも、ほかでもない自分自身なんです。

 

ヨーロッパ旅でつくづく思い知ったのは、どんな人にとっても、人生のテーマは『自分らしく生きて、自分のことを好きになること』だということでした。日々のあわただしさにかまけて、ときどき忘れてしまいそうになりますけど、人はみんな、生きることを楽しむために生まれてきたんですから。

 

“今の自分”のままの延長でやって来る未来が怖い人、自分が自分であることに安心できない人は、魂を解放できる一人旅を心底からオススメします。自分自身を、この世界を、好きでいるためにも!」

 

現在は、自分で命名して作った職業であり、長年憧れ続けた「地球の広報」に就き、執筆したり、各地で講演したり、大学で異文化を教えたりと“ライフワークだけで生きるフリー”として充実の毎日。かくして呪いは解かれたのだ。

 

「世界200ヵ国、全部旅してみたいし、やりたいことは全部、片っ端からやってみたいと思ってます。死ぬときに、『あぁ、アレやっときゃよかった〜!』と思わずに済むように(笑)」と語る、たかのてるこ。今後の活躍に、乞うご期待である。

 

 

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この情報は2016年12月24日現在のものです。

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