連載
名刺を捨てた男 #013 お笑い芸人・肥後克広 04/04

たとえメンバーの誰かが亡くなっても一生現役にこだわる

■ハイセンスなネタで勝負しようと思ったものの……

 

いくら「結成のきっかけ」や「リーダーに選ばれた理由」が“テキトー”であったとしても、「ダチョウ倶楽部」が30年以上にわたり、浮き沈みの激しい芸能界でしたたかに生き残っているということは純然たる事実である。その“秘訣”とはいったい……?

 

「来た仕事を全力でこなす、それだけかなぁ……。自分の未来がどうなるかなんて、誰も予測できないわけでしょ? ならば、考えてもムダ。僕に限れば、沖縄人らしく『なんくるないサー』の精神を持って、その日その日をひたすら懸命に生きる。

 

だいたい、僕らは“戦略”とか立てたところで、いつも失敗してるから(笑)。たとえば、『ダチョウ倶楽部』が『ザ・テレビ演芸』という昔の番組で10週勝ち抜いてチャンピオンになったことがあったんだけど、そこで『チャンピオンになったから、これからはハイセンスなネタの世界で勝負しよう!』と慣れない戦略を練ったら、それが案の定全然ウケなくてさ。

 

その後、やけっぱちになって出演した『お笑いウルトラクイズ』がたまたまハマっちゃって……。ハイセンスもクソもない、ただただ『あち~!』って言ってるだけ(笑)」

画像:2枚目

■80になっても、「ダチョウ倶楽部」はどこまでも「ダチョウ倶楽部」

 

「自分の未来がどうなるかなんて、誰も予測できない」のは当然のこと。しかし、予測できなくとも、なんらかの“ビジョン”は「ダチョウ倶楽部」にだって“あって然るべき”……なのではなかろうか?

 

「結果として、僕らは流されるようにやってきて“今”があるわけで……。まあ、80歳とかになって、見た目もめっきりお爺ちゃんになっても、今とまったく同じことをやっているっていうのが一番べストだと思う。現役のまま棺桶に入りたい。

 

おそらく、3人一緒に死ぬパターンはないだろうから、誰かの遺影を持ちながら熱湯風呂とか……? さらに、足腰も弱くなってくるだろうから、誰かが車椅子で移動して……(笑)。それをお客さんたちが受け入れてくれるかどうかは、まだ分からないけど、個人的には『それもありかな?』くらいの確信はあります。

 

そして、今のスタンスはたぶん変わらない。少なくとも『ダチョウ倶楽部』的には間違っていない……というより、僕らはこれしかできないしね」

画像:3枚目

沖縄に昔からある、すでに全国区となった方言「なんくるないさー」は、「なんとかなるさ」と“南国特有の呑気さ”を前面として訳されがちだが、正確には「間違ったことじゃない、ひとつのことをちゃんと真面目にやっていれば、なんとかなる」といった深い意味が含まれている。

 

この楽観とストイズムが同居する素晴らしい人生訓は、リーダー・肥後克広を通じて「ダチョウ倶楽部」の頭からつま先までにも、知らぬ間に浸透し切っているのではなかろうか。

 

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この情報は2016年11月23日現在のものです。

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