連載
名刺を捨てた男 #012 格闘家・角田信朗 04/04

年を取ることは素晴らしい! 年齢を言い訳にする人生を歩むな

■傾奇者として生きていく

 

K-1が発足して以来、格闘技人気はうなぎのぼり。当時を「格闘技バブルでしたね」と振り返る。著書『悔しかったらやってみぃ!!』にはこうある。

 

――K-1が格闘技にメジャーの陽を当てたことで、世界中の「ファイター」達が、今までには考えられなかった経済基盤を確立し、「格闘技」というジャンルが一種の社会現象となった。(中略)これまでは社会人が余暇を利用して取り組む趣味だった格闘技が、生活基盤を支える立派な職業として成立しだした――

 

格闘技は“食える”職業になったのである。しかし、なんでもできるはずの角田さんだが、そんな世界では出世できないタイプのようだ。

 

「以前、島田紳助さんに『男気のある者は出世できへんなぁ』と言われたことがあります。歴史上の人物で前田慶次という人がいますが、彼は傾奇者(かぶきもの)として、権力、体制にはおもねらなかった。人間力があっても出世はできないし、彼自身もそれでいいと思っているわけです。

 

ですから会社員としてではなく、社会を構成するひとりの男として筋を通したい、通すべきだと心を決めているなら、出世できないことも当然あり得ます。人の目から見た自分ではなく、『自分がどうありたいかを問う人生』の方が、気分が良い。何しろ僕がそう生きてきたので」

画像:2枚目

■30代、40代の希望の星となって

 

角田さんはトレーニングを重ねるなかで、40歳を過ぎて体力が衰えるどころか調子が上がっていく自分に気づいたという。そして現在はボディビルに向き合うことで、心身ともに調子を上げているという。

 

「僕は『アンチエイジング』には大反対。それよりも『ウェルエイジング』を提唱したいんです」

 

これは歳をとっても健康でいて、経験も豊富になっていけば、総合的に人間力がアップするという考えだ。

 

「ボディビルの世界には70代、80代でなお現役の方が多くいらっしゃいます。僕にとって見本のような存在です。ですから僕も他人様に『あぁいう50代になりたいな』と思ってもらえるような人になりたいんです」

 

まだキャリアは浅いものの、頭脳と情報を駆使し、誰よりもハードなトレーニングを課して臨み、素晴らしい結果を残したことは前述したとおりだ。

 

ただ、ここでもまだ「角田信朗、何者ぞ」の回答は得られていない。ボディビルはやりたいからやっているのであり、仕事ではないときっぱり。

 

「仕事は生きるためにすることであり、生活ができて初めてやりたいことをすべし。僕はそう思ってやってきています」と話し、さらにやりたいことで生活できることが人生の幸せとは限らないと続ける。

 

画像:3枚目

■どんな60歳になっているのか、自分でも楽しみ

 

「三ノ宮で道場を任されたとき、やりたいことでご飯を食べられると当初は大喜びでした。ですが、ふたを開ければ練習どころか、損得分岐点やら生産性やらで、心と体はバラバラ。以来、僕は仕事とは生活のためにあるものだと思っています」

 

となれば、さらに『角田信朗何者ぞ』の疑問は残るが、「傾奇者として30代、40代の希望の星でいたい」という言葉でなるほどと思う。

 

彼の50代の仕事は「角田信朗という生き方を魅せる」ことなのだ。さすれば、今はエンターテイナーという肩書きがもっとも似合うのかもしれない。ただし、これから変化していく可能性は大いにある。

 

「2021年に還暦を迎えます。どんな60歳になっているのか、自分でも楽しみです」

 

 

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この情報は2016年10月23日現在のものです。

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