連載
名刺を捨てた男 #010 ラッパー・Zeebra 03/04

レーベルのボスとして、父親として

■“名刺を捨てた男”は再び名刺を手にした

 

「『UBG』を作ったころはまだ“ごっこ”みたいな感じで、渋谷に事務所がありましたけど、みんなの溜まり場みたいな感じ。壁に『女連れ込み禁止』とか書いて(笑)。そういう意味では、2014年に新レーベル『GRAND MASTER』を立ち上げて、初めて組織として動いていくこと、経営のことを本気で考えるようになりましたね。

 

今はCDの売り上げだけでどうにかなる時代じゃないし、アーティストが制作をできる環境作りのためにも、ほかの仕事をしてお金を引っ張ってこなくちゃとか、そういう大変さは感じています」

 

先日、ついに施行された「風営法」改正においては、政治家やクラブ事業者、アーティストやDJらで構成された「クラブとクラブカルチャーを守る会(CCCC)」の会長として熱心な働きかけを行った。若くして“名刺を捨てた男”が、いまやさまざまな肩書きの名刺を持ち歩いている。

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■24歳、25歳の2人の息子の父親として

 

「部下を育成するみたいなことは、あまり得意じゃないのかなって思いますね。本当は好き勝手にやらせたいんですよ、その方が伸びると思うし。自分もアーティストだから思いが分かってしまう部分もあるし。細かく言わない方がいいのかな、でも言った方がいいのかなとか、いろいろ難しいですね」

 

若いアーティストと接するなかで、ジェネレーションギャップを感じることも多々あるという。

 

「本来、アーティストなんて自分からグイグイ行くべきだと思ってるんだけど、最近はおとなしい子も多いしね。だから、原石を磨くスキルを身につけなきゃとは思います。

 

ただ、いま自分の息子が24歳と25歳なんですけど、彼らとはまったくジェネレーションギャップを感じない。俺の教育方針のもと、タフに育てちゃったからかもしれないけど。息子たちが小さいとき、言うことを聞かなかったら『妄走族』(※)んとこに預けるぞ、とか言って(笑)」

 

※マイクジャックで名を馳せた暴走族出身のハードコアラップグループ。1998年に結成され、2015年に解散。

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■社会人として働く2人に息子

 

現在、長男は一流企業に就職。次男は音楽の道を目指しながら、PR会社で働いている。

 

「こういう親だったせいか、長男は早い段階からサラリーマンを目指して、『仕事で親父と何かやる』とか言って。今は京都にいて、誕生日とか『父の日』とかに漬物セットを送ってきてくれたり、いっぱしのことをしてきますよ。

 

びっくりしたのが次男。アメリカの大学に行ってたのに、突然音楽をやりたいと言い出して、2年で辞めちゃって。こっちとしては、いくら金がかかったと思ってんだ! って(笑)。散々この世界の厳しさを話したんですけどね。まぁ、いまはどうにかやってるみたいで」

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この情報は2016年7月23日現在のものです。

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