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映画『…and LOVE』公開、グラビアの未来とは?

杉原杏璃、映画とグラビアと私

約10年前にグラビアアイドルとしてデビューしてから、数々の写真集・DVDを発表──今年35歳を迎え、いまだ第一線を走り続ける杉原杏璃が、自伝的小説としてグラビア界の裏側を赤裸々に描いた処女作『……and LOVE』が、ついに映画化された(映画タイトルは『…and LOVE』)。

 

グラドル界の頂点へと駆け抜けていくプロセスで生じる、さまざまな葛藤に悩む主人公の杉原アン。その役を演じる“杉原杏璃”本人に、本作の見どころ、そしてグラビアの「過去・現在・未来」について、たっぷりと語ってもらった!

 

写真:山田英博   スタイリング:菊地文子   ヘアメイク:矢部恵子 文:山田ゴメス

 

 

◆「映画って大変」を痛感

 

──(原案となった)小説は、けっこうセクシーな内容だった印象なんだけど、映画のほうも、かなり大胆なシーンがてんこ盛りなの?

 

杉原杏璃(以下、杏璃):キスシーンや初のベッドシーンにも挑戦しているので、けっこうドキドキしながら観ていただける内容になっていると思います。でも、私と同じように「自分はこのままでいいのだろうか?」と悩んでいる一般の女性の皆さんにも観てもらいたかったので、小説と比べると、女性にも共感してもらえるようなストーリーやシーンを盛り込んでもらいました。

 

──本格的に“女優”として映画に出演するのは、たしか初めてだよね?

 

杏璃:はい。映画のお仕事って、ここまで大変なんだ……ということを思い知らされました(笑)。一応、主役なので、当然のこと私は出ずっぱり。常にセリフや撮影の雰囲気と戦い続けるケースは今までなかったので……。

 

──なかでも一番大変だったのは?

 

杏璃:セリフをしゃべるとき、声を張るのが一番むずかしかった……。意識して声を張り過ぎると舞台のセリフみたいになっちゃうし、もっと「自然に!」と思い、普段お友だちとプライベートで話すときくらいの声で演じてたら、なかなかマイクまで声が届かなくて……。

 

周囲がシ~ンと静まり返ったシーンなんてそうないし、たいがいは街中だったりするわけじゃないですか。どうしても自分の声が雑音に負けちゃうので、何度音声さんを泣かせたか……(笑)。とくに今回は、悩んだり挫折したりする演技が多かったので、独り言をつぶやく風に「声を張る」……と、本来なら矛盾する心情と言動のギャップを埋めるのに苦労しましたね。

 

──それは、過去に出演した映画やドラマにはなかった苦労なの?

 

杏璃:そうですね、これまではチョイ役でセリフも少ししかなかったので。それだけを何十回、何百回と練習したうえで、自信を持って発する一言二言だったから、まだ大丈夫だった。でも、今回はもうしゃべりっぱなしですし……(笑)。

 

◆ストーリーの7割が実話?

 

──ほかに大変だったことって?

 

杏璃:グラビアの仕事って、実はスタッフさん以外だと男性とリアルに関わることがあんまりないんですよ。なのに、演者になったら、そこは“ナマのやりとり”が行われるわけで……。

 

「グラビアアイドル=男の扱いにも慣れている」みたいなイメージを皆さんお持ちなのかもしれませんけど、本当はまったく逆! キスシーンなんかも相手が実在するケースは今回が初めて。独り妄想のなかでキスしたり……のイメージDVDは何本も撮ってますけどね(笑)。

画像:杉原杏璃

──ぶっちゃけ、何割が実話?

 

杏璃:う~ん、7割くらいが本当の私……かな? あとの3割は……男性との色恋沙汰(笑)。実生活はあまりにカサカサすぎるので、脚色がほとんどです(笑)。

 

あと、映画内の「杉原アン」は、コレでもうやり切った、燃え尽きたといった設定でしたけど、実際の「杉原杏璃」は全然まだまだ(芸能界で)やれていないこともたくさんあるし、「満たされてる」って感じではないですね。

 

──杉原アンのマネージャーを演じる甲本雅裕さんは、すごく親身にタレントさんのことを考えてくれる役柄でしたよね。あんな風にされたら、惚れちゃったりしない?

 

杏璃:甲本さんの演技はホント最高でした。私も好きになっちゃうと思いますよ(笑)。

 

ただ、皆さんから「マネージャーさんとタレントは恋愛関係に発展しやすそう」と、よく言われるんですけど、仮に私が「好き」と告白しても、相手がダメなんじゃないかな(笑)。だって、マネージャーさんには好きなヒトには絶対に見せないような態度を取っちゃうから。ある意味、彼氏よりも嫌な部分を見せちゃっているから。

 

──ズバリ! 濡れ場は欲情する?

 

杏璃:する子もいるとは聞きますけど、私の場合は全然なかった……かな? もうちょっと女優として慣れてきたら、そういう余裕も出てくるのかもしれないけど、それどころじゃなかったですね。

 

慣れていないぶん、カット割りもたくさんあったし、リハーサルだって何度もやるし……。どの角度でどう映ったら顔が見えるのかな……とか、そんなことばかり考えてました(笑)。

 

──では、ここらあたりで『…and LOVE』の見どころを!

 

杏璃:男性はもちろんなんですが、できれば女性の方々にも観てもらいたいですね。誰でも、挫折とか辛いこととか、いろいろあると思うんですけど、諦めなければ、ほとんどの夢は叶う──そういったポジティブな気持ちを一緒に共感してもらえたらうれしいです。

 

◆これからはグラビア界全体をフォローしたい!

 

──グラビアデビューした10年前と現在とで「グラビア業界が変わった」と感じる点は?

 

杏璃:やっぱり、グラドルが活躍できる雑誌が少なくなってきたのが一番大きいんじゃないかな?

 

「グラビアアイドル」というカテゴリーじゃない人たち、モデルやアイドルも水着を着るようになってしまったから、ただでさえ(雑誌の相次ぐ休廃刊などで)少なくなってきているパイを奪い合うかたちになって……。正直、グラドルにとって今は苦難の時期だと思います。

画像:杉原杏璃

──なるほど……予想以上に深刻だなぁ。

 

杏璃:でも、ライバルが増えようが強力になろうが、結局は自分が頑張るしかないわけですから。

 

──ギョーカイで生き残るために心がけてきたことって?

 

杏璃:自分にとって、どんなにキツい仕事でも嫌々やらないこと。これはグラビア界に限らず、一般の人たちも同様なのでは?

 

私も正直、グラビアを始めたばかりのころは、「こんなのやりたくないな」「なんでこんなことやらなきゃいけないんだろ?」「これをやって、どう先に繋がっていくんだろ?」みたいな仕事もたくさんあった。でも、今から考えるとその仕事全部が必要だった。「場数を踏むこと」だって大切だし……。

 

「この仕事、面倒臭いな」と嫌々やっている子は顔で分かっちゃう。私が分かるってことはスタッフさんにも絶対に伝わっているはず。そうなったら「この子とは仕事したくない」ってなるのも当然じゃないですか。

 

だから、一度「やる」って決めたなら、受けた仕事すべてを「つまらない」と思わず、きっちりやるべきだし、ちゃんとやっていたら絶対に先も見えてくると私は考えます。今から考えると……ですけどね(笑)。

 

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