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日本科学未来館 01/03

日本科学未来館、開館以来初の大リニューアル成功のウラ側

▲「日本科学未来館」のシンボル展示『ジオ・コスモス』と今年で不惑の40歳を迎えた『For M』編集長

 

 

日本科学未来館が2001年の開館以来、初めてとなる大幅なリニューアルを実施し、4月20日に新たなスタートを切った。以来、各メディアで話題のスポットとなっており、担当者によれば来館者は増加傾向にあるという。では装いを一新した同館の、いったい何が人々を惹きつけているのだろうか。その理由を探るべく「日本科学未来館」を訪ねてみると、そこには“オトナ”だからこそ、見ておくべき展示物があった。

画像:日本科学未来館展示企画開発課 松岡さん

▲今回お話を伺った日本科学未来館、展示企画開発課の松岡均さん

 

 

■五感以上を使う展示物

 

「日本科学未来館」はその名前が示す通り、科学技術を使い、現在を検証しながら未来を創造していこうという場所だ。ともすれば、こうした展示施設を訪れて、“見ただけ・聞いただけ・触っただけ”で、結局のところ自分のなかに何も残っていないという経験のある読者も多いかもしれない。

 

しかし、ここは違う。五感以上を使って、訪れた人の心に何かが残る体験・経験させる工夫が随所に凝らされているのだ。

 

そうした工夫をするうえで基幹となったのが、「問いをみつける」「考える」「行動する」という3つのステップで構成された“未来への行動の促し”である。ここで言う未来は、「わくわくするような明るい未来」ばかりではない。

 

「『鉄腕アトム』の時代に想像していた未来は明るいものでした。でもこの明るさには、隠れて見過ごされていたリスクもありました。こうしたリスクも含めて初めて本当の未来の姿なんです」

 

そう語るのは、今回のインタビューに応じてくれた同館の展示企画開発課の松岡均さんだ。

 

科学技術の発達によって私たちの生活は豊かになった。しかし、それは気候変動やエネルギー問題や人口問題、さらには人間の想像を超えた災害を引き起こす要因ともなっているのだ。

 

同館のリニューアルの背景には、「これらが人類に影響をおよぼすさまざまな問題の解決策を見つけることは科学技術の大きな役割だ」という考えがある。

 

そこで、まずは広く知識や情報を提供して来館者に問いかけ、科学技術が社会で果たす役割、持続可能な地球環境などについて思考を促す。そして、みなで議論し、それぞれが活動をするように促すことで、さまざまな課題の解決に積極的につなげる――そんな“促し”を設計しているのだ。

 

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この情報は2016年8月25日現在のものです。

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