連載
Urban Outdoor Catalog vol.35

アウトドア×ファッションのスタイリングの妙――トレンドを牽引したユニクロとモンベル

前回に続き、今アウトドアシーンの第一線を走るスタイリストたちによる鼎談〈中編〉をお届けしよう。岡部文彦、平健一、佐々木智之の3名のスタイリストは『GO OUT』誌と関わりながらブームを牽引――前回は未来のアウトドアシーンについて語ってもらった。

 

いま街では、アウトドアとファッションがトレンドとなり、さまざまなアウトドアブランドが機能性を担保しながら、都市でも着られるスタイリッシュさを兼ね備えたアイテムを見かけるようになった。「アウトドア×ファッション」がこれまで以上に距離を縮め、より街着として洗練されてきたことが現在のアウトドアシーンの顕著な例と言える。

 

第2弾では、「アウトドア×ファッション」がトレンドとなるまでの成長を後押ししたブランドに言及。そこには、ブームからライフスタイルへと昇華させた2つのブランドがあった。

 

 

撮影:吉岡教雄 文:富山英三郎 取材協力:BESSスクエア

 

 

岡部文彦┃おかべ・ふみひこ

スタイリスト

岡部文彦┃おかべ・ふみひこ

スタイリスト。アウトドア系雑誌を中心に活躍。アウトドアメーカーの企画・商品開発をはじめアドバイジング、農園芸ワークウエア「HARVESTA!」を主宰するなどスタイリストの枠を超え、さまざまな分野で才能の幅を広げている。『GO OUT』(三栄書房)で「SOTOKEN」を連載中。

平健一┃たいら・けんいち

スタイリスト

平健一┃たいら・けんいち

スタイリスト。ひと月のうち自宅のベッドよりも寝袋で寝ることが多いというほどの生粋のキャンパー。雑誌から広告、PV、カタログ、アーティストなど幅広く活躍し、フードや空間スタイリングなども手がける。最近はTVなどの出演も多く、Abema TVの「買えるAbema社」にも出演。

佐々木智之┃ささき・ともゆき

スタイリスト

佐々木智之┃ささき・ともゆき

スタイリスト本庄克之に師事後、独立。アウトドア関連の仕事が多く、ファッション誌やカタログを中心に活動している。2018年よりビデオグラファーとしても活動開始。

 

 

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――今でこそアウトドアブランドによるアーバンな(街仕様の)アイテムが揃っています。しかし、ブーム黎明期にはまだそういったアイテムが少ないなか、岡部さんはアウトドア×ファッションのスタイリングをするにあたって、何か気をつけていた点はありましたか?

 

岡部:(当時)『MEN'S NON-NO』(集英社)なのか『GO OUT』(三栄書房)なのか、媒体によっても違ったのですが、はじめのうちはあまり何も考えずに、ただ感覚でアウトドアテイストのウェアをミックスしてファッションスタイルとして作っていました。あくまでファッションですから自由でどんな感じでも良かったんですよね。シルエットや色味さえハマっていれば(笑)。

 

とくに当時は、どんなシーンを想定するかとか、そこまで具体的ではなかったんです。

 

その後、アウトドア×ファッションのスタイリングに本格的なアウトドアメーカーが絡んでくると、「ファッションブランドのシャツとスラックスをモデルに着せ、アウターに『Arc'teryx』のシェルを着せてシティっぽさを出す」くらいのスタイリングではなかなか形にならなかったんですよ。当時はアイテムも少なく、アウトドアとファッションを結ぶ作業がとても大変でしたね。(笑)。

 

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岡部:しばらくして、いろんなブランドが出てくるなかで、やっぱりスタイリストとしてはそのままやらないで、その「隙間」のものをやろうとしてましたね。

 

1970~80年代に日本で「ヘビーデューティ」(※)というスタイルがトレンドになって、アウトドア×ファッションが注目を浴びましたが、その当時のままヘビーデューティのジャケット、パンツ、ブーツでスタイリングすれば合うに決まっています。

 

でも、それじゃありきたりでつまらないな!ってなるじゃないですか。

 

ほかにも、90年代に流行った「patagonia」のフリースや「ARC'TERYX」のジャケットを筆頭にしたアウトドアファッションもありましたよね? 今現在は90sが流行っているのかもしれないですが、当時(00年代)は時代が近すぎてそういうスタイルも違うと。スタイリストとしては、それとは違う新しいスタイルを作ってやろうってのはありましたよね。結局似てきちゃうんですけど(笑)。

 

:当時の雑誌とかありますか?

 

岡部:切り抜きは取ってあるけど、恥ずかしいから持ってきてないよ(笑)。

 

アウトドアブランドと仕事をするようになってからは、「THE NORTH FACE purple label」的先輩ブランドが存在していたので、その「隙間」をついて、ウルトラライト志向の人たち向けにハイスペックな日常着を提案しました。すると、次のシーズンから他のメーカーからも似たようなブランドが出始めてきましたね。

 

 

※:1960年代末~70年にアメリカでトレンドとなった「アースムーブメント」に起因し、日本で広く知られるようになったのは、1976年の『メンズクラブ』(婦人画報社)。

 

 

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