連載
vol. 32┃Snow Peak Apparel〈インタビュー編〉

徹底した素材主義。Snow Peakアパレルラインの服作り

デザイナー┃山井梨沙(やまい・りさ)

1987年新潟県生まれ。スノーピーク創立者の祖父・幸雄、現社長の父・太を持つ3世代目。 幼いころからアウトドアに触れて育ち、2014FWシーズンからアパレル事業を立ち上げた。Snow Peakが培ってきた「ないものはつくるDNA」を受け継いだものづくりを行っている。

 

 

■素材を触ってイメージが浮かび上がる

 

編集部:「Snow Peak Apparel」のなにがスゴイって、素材がいいですよね。特に肌触りが最高です。

 

山井:ありがとうございます。わたし、“触り心地オタク”なんです(笑)。朝から晩まで、ずっと生地スワッチ(小さな生地サンプルの台帳)を触っています。多いときで1200種類ぐらい。で、ずっと触っているとピンとくるものがあるので「よし、これで服作ろう」という感じで選んでいます。

 

編集部:つまり、生地選びが最優先ということですか?

 

山井:そうですね。生地ありきです。いい生地を見つけて、それでアウターを作りたいってなって想像して、でも防水機能が必要だからフィルムをどうやって貼ろうか、という順番で考えていますね。

 

一般的には、「こんなアウターが作りたいな」と考えてから「素材はこうしよう」「デザインはあぁしよう」と考えると思うのですが、私の場合、素材にインスパイアされてこんな服が作れそう! と考えます。一般的なデザイナーとはプロセスが逆かもしれませんね。

 

編集部:なるほど、気に入った生地から出来上がりを考えて、形にしていくんですね。

 

山井:硬い生地から柔らかい生地まで、素材によっていいところはそれぞれなんですが、アウトドアで必要な機能を盛り込むと風合いが変わってしまうんです。「このテクスチャーを損ねずに、撥水加工してほしい」という交渉を業者の方とは常にしていて。トライアンドエラーの連続ですね。

 

画像:snowpeak Apparel

 

編集部:素材へのこだわりというと、やはり「難燃(なんねん)素材」が象徴的です。今では各社やられていますが、「Snow Peak Apparel」が先陣ですよね?

 

山井:そうなんです! これは、意外と知られていないのでアピールしておきたいんですけど(笑)、難燃素材を開発して商品化したのはスノーピークなんです。当時、難燃素材と言えば消防ユニホームぐらいしかなかったので、国内の素材メーカーすべてに問い合わせをして交渉を重ねました。

 

メーカーの窓口もいつもと違って「ユニホーム課」に回されたりして。で、繋いでもらっても「最小ロットでも1m分の生地からじゃないと作れない」と言われたり(苦笑)。それでも、スノーピークとしてはどうしても必要な素材だったので、何度も頭を下げて説得しました。いろいろな素材をやってきていますが、一番思い入れもありますし、大変でしたね。

 

編集部:そのおかげで、昨今は火の粉を気にしなくていいキャンパーが増えたんですから、スノーピークが成し遂げた功績は偉大ですね!

 

 

 

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