連載
vol. 27┃GORE-TEX®

独占取材! オフィシャル実験キットでGORE-TEX®のスペックを徹底解説

■水は通さず、湿気は通す「防水透湿性」

 

まずは、GORE-TEX®プロダクトが誇る防水透湿性の実験をおこなった。これを見れば、水は通さず蒸気は通す「防水透湿性」の意味が視覚的に分かるだろう。

 

画像:GORE-TEX®を使用した防水透湿性の実験

 

左は通常のビニールをコップにかぶせ、右はGORE-TEX®ファブリクスをかぶせる。両方にお湯を注ぐと、もちろんともにコップにお湯がしたたることはないが、右のコップは曇っていることが分かる。つまり、GORE-TEX®メンブレンは、水を通さず湿気のみを通す「防水透湿性」の再現となる。

 

次は、縫い目を覆うシームテープの実力が分かるだけでなく、水に圧力をかけても生地から水が染み込まないという実験でもある。これは、「耐水圧」と呼ばれるものだ。一般的に、アウトドアウェアやギアの防水性を語るときに「耐水圧」がひとつの性能基準となる。しかし、これは掃除機における「吸引仕事率」のように、ひとつの基準ではあるが、そのまま性能の良し悪しを判断できるものではない。

 

画像:GORE-TEX®を使用した耐水圧の実験

■耐水圧と透湿性の持ちつ持たれつの関係

 

ポンプを利用して下から水を注入する。はちきれんとばかりにGORE-TEX®ファブリクスが膨れ上がるが、水が浸み出すこともなければ、加圧後の生地にも遜色はない。

 

市塚:ゴア社としては耐水圧を公表していません。しかし、各メーカーさんが参考値として出されていることもあります。とはいえ、アウトドアメーカーさんが作った防水ウェアであれば、耐水圧を気にする必要はほとんどありません。

 

実際、土砂降りの雨が上から降ってくる圧力は1,000mm程度。問題になるのは濡れた状態でザックを背負ったときの肩口や、座ったときのお尻や膝裏にかかる圧力なんです。その場合でも、過酷な環境でなければ20,000~30,000mmあれば十分です」

 

耐水圧の数値だけを上げるなら、50,000mmでも100,000mmでも可能だ。しかし、そこにばかり目を向けていると、透湿性はどんどん失われてしまう。また、どれだけ圧力をかけるかによるもので、ある一定のラインを超えると生地強度の問題になってくる。最終的には圧力に耐えられず生地が破れて終わるだけだ。

 

それよりも、新品の状態で計測された耐水圧からいかに数値が落ちにくいか、そのカーブが緩やかであるかが重要。その意味で言えば、ケアを怠らない限り、GORE-TEX®プロダクトは耐水圧に関しても初期の性能から劣化しにくいと言える。

 

 

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