連載
小銭で買えるシアワセ「GOOD DESIGN小物」vol.5

文章より先に目に飛び込んでくる“字”、「活字ブックマーカー」

本の多くは、かつては活字で、今はフォントで文字を表現して、それを紙に印刷して作られている。あらゆる文章は文字でできていて、全ての文章は、文字を一文字ずつ積み重ねることでしか生まれない。名作と言われる小説も、世界を変えたとされる評論も、遊びのメールも、メモ書きも、文字が並ぶことで生まれるのに変わりはない。

 

昔は、本を作るために、活字を一文字ずつ拾って並べていたのだ。金属製の文字一つひとつは「活字」と呼ばれる「モノ」で、しかし「文字」という概念で、並ぶと「言葉」になって「文章」になる。「活字」が失われつつあるのは残念だが仕方がない。活字を拾わなくても、パソコンで打ち込んだ「フォント」が、文章を印刷してくれるようになったこと自体は、正しい進歩のひとつの方向だから。

 

そこで、この「活字ブックマーカー」だ。活字をデザインのモチーフにした栞。だから、本を開くと、いきなり巨大な文字が目に入る。背景に小さな文字を従えて「あ」とか「を」とか「ゆ」とかが紙の上にある。ポリプロピレン製だから薄くて、でも文字そのものが曲がったり折れたりはしにくく、いつも「ね」とか「ぬ」とか、その形は保持される。本を開いた時の、その衝撃を味わいたいためだけに、一気に読まずに、途中で挟もうと思ってしまう栞なのだ。

 

写真:石井幸久

DATA

「活字ブックマーカー」
価格:648円
問い合わせ先:enimo
TEL:03-5805-0918
URL:http://www.enimo.jp/shop/item_detail?category_id=303367&item_id=1242612 ※外部サイト

納富 廉邦

男のこだわりグッズ ガイド

納富 廉邦

「おとなのOFF」「日経トレンディ」「グッとくる文房具」「GetNavi」「夕刊フジ」などの雑誌をはじめ、書籍、ネットなど、さまざまな媒体で、文具などのグッズ選びや、いまおすすめのモノについて執筆。グッズの使いこなしや新しい視点でのモノの遊び方、選び方をお伝えします。

この情報は2015年5月13日現在のものです。

TOP