連載
自分は既婚者ですが、職場に入ってきた3歳年下の子どもを持つパートさんと付き合うことになりました。しかし、1ヶ月で彼女が我に返ったのか、「家庭を壊されたくないから、別れたい」と言ってきて別れることになりました。

彼女と再び付き合いたい。とは考えてはないのですが、「友達として付き合いたい」と思っています。別れてからしばらくはLINEや電話をしていたのですが、今はLINEを送っても既読がつくのみ。職場では、自分に会わないようにしているようにしか見えません。

顔を合わせれば素っ気なく、よそよそしい感じでぎくしゃくした関係になってしまいました。このままだと、どちらかが職場を辞めたら音信不通になって、人間関係も終わってしまいそうです。

彼女からは「一線を越えてしまったから、(友達としても)長くは付き合えない」と言われていますが、自身は友達としてこの先も付き合って行きたいのですが、そのことを彼女に伝えるべきなのか迷っています。

「伝えたら着信拒否やLINEもブロックされてしまうのでは? ひいては、仕事も辞めてしまうかも……」と思ってしまいます。彼女に友達として付き合って行きたいことを、伝えるべきかどうか迷っています。どうしたら良いでしょうか?

(なつきさん/37歳/男性)

不倫して本当に傷つくのは誰か

A.武田先生がアンサー

 

先日、『ルビンの壺が割れた』という小説を読みました。別れた元恋人に対して、男性が執拗にメールを送るのですが、今その小説を再び読んでいる錯覚に陥るほど、なつきさんのことを「怖い」と思ってしまいました。

 

男性って、「別れた女性はいつまでも自分のことが好き」と思っているフシがあるのですが、残念ながら実態は全然違うんですねー。

 

「あんなに大好きだったのに、なんで好きになったか理由がまるで思い出せない」なんてのはまだいいほうで、「顔も見たいくない」「気持ち悪い」という人類最低ランクに格付けされることも珍しくありません。

 

男性のなかでは、2人が最高に盛り上がっているピンク色のときが瞬間冷凍されて記憶に留まっているのかもしれませんが、女性の場合は、片思いで終わった恋以外の過去の男性というのは、得てして経年劣化していくものではないでしょうか。

 

特に、女性に新しく好きな人ができたり、ほかに大事な人がいたりすると、それ以外の男性への興味関心が著しく低くなる傾向にあります。女性はいつも相対的。絶対的に気に入った相手たちへ、同時進行で違う愛が注げる男性とは違うんですね。

 

その女性はお子さんがいらっしゃるのだとすれば、お子様のことを考えて今回の過ちから足を洗おうとしたのかも。あるいは、退屈しのぎに不倫したものの、罪の意識も手伝ってご主人の良さに改めて気付き、ご主人へのマインドシェアが上がっている、とか。

 

だとすれば、あなたへの感情はうとましさ以外の何物でもないでしょうね……。

 

身から出た錆とはいえ、「お願いだからそっとしておいてほしい」と祈っているのでは。

 

それこそ、あなたが激昂してストーカー化したり、やぶれかぶれになって社内不倫を暴露する自爆テロを強行したりすれば、彼女は家族、人間関係を失うわけで、戦々恐々としているわけです。

 

でも一番辛いのは、子どもへの信頼を失うことですよね。どんな母親も、子どもに対して恥ずかしいことはしたくないものですから。

 

で、一周回って、不倫ですべてを失うのはなつきさんも同じ。相手の女性はパートさんゆえ、居づらくなればいつでも辞められますが、なつきさんが社員であればそういうわけにもいかないでしょう。転職するにしても、一家の大黒柱なのでしょうから、行き先はどこでもいいというわけにはいきません。

 

どこで聞きつけたのか、そういうゴシップネタは転職先にまで喧伝される可能性だってあります。昨今の不倫許すまじの社会的風潮からすれば、肩身の狭い思いをすることになるでしょう。

 

なつきさんは、全然懲りてなさそうだし、事の重大さを理解していないようなので、いっぺん痛い目にあったほうがいいのかもと思ったりもしているのですが、罪もない家族を巻き込みたくありません。

 

知って傷つくのは家族です。夫の裏切りへの心傷だけでなく、まわりからは「かわいそうな奥さん」「不倫された奥さん」として好奇の目にさらされるのはどれほど苦痛でしょう。

 

なつきさんはいつも意識が自分に向いていて、主語が常に自分。隣にいる奥さんを、困っている相手の女性を主語にして世界を捉えてみてほしいです。

 

 

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武田 尚子

恋愛 ガイド

武田 尚子

1980年代生まれ。大学在学時代、コラム執筆。卒業後、某企業の総合職として勤務。都会で働く強くなりすぎた女子、早々にリタイヤした勝ち組女子、男子の本音など、東京のリアルな恋愛模様への知見を活かすべくコラムニストとしてデビュー。

この情報は2018年5月17日現在のものです。

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