アシンメトリーな“締め技”

現代によみがえった左右非対称丁番。その眼鏡が、職人が作り上げた逸品だということの証ともなる 撮影:石井幸久

左右非対称のヒンジを持つ眼鏡

メガネ愛用者ならわかると思いますが、長年使っていると丁番(蝶番)のネジが緩んできますよね。その度に精密ドライバーで締め直す必要があります。では昔のメガネはどうだったのかというと、現在ほどネジの精度が良くなかったようで、“緩みにくい方法”を考えていたらしい。

そのときに生まれたのが左右非対称丁番という発想。これはネジの緩む方向に回転する右テンプルネジを下部から締めることによって、テンプルを開くときに左右ともにネジが締まるという仕組みなんです。これによって緩みやすい右テンプルネジの緩み防止になるわけです。

そんな昔ながらの左右非対称丁番を現在に復活させたのが、井戸多美男氏と山崎恒眸氏の手によるメガネ。両氏ともベテランのメガネ職人です。現在のネジは精度も高まり、緩みにくくなっていますが、この伝統のデザインを加えることでさらに緩みにくくなるはず。どれほどの効果があるかわかりませんが、丁番のネジ山が下側にあるという発想は面白いです。このメガネは作りも素晴らしく着用感もいいです。一度試してみてください。

T-416(3万1500円) 問い合わせ先:FACIAL INDEX NEW YORK 東京店 TEL:03-5288-8220

倉野路凡(くらの・ろはん)メンズファッション」ガイド

メンズファッションガイド。1970年代後半のプレッピーブームでファッションに開眼。今は無きメンズファッション専門学校を卒業後、茶人と画家を目指すが、素直にファッションの仕事に就く。現在はスーツ、シャツ、シューズ、バッグ、小物など、メンズクロージング全般を探求&探究し続けるファッションライターである。ここ数年は国内のテーラーや仕立て職人の取材に力を注いでいる。「男の身だしなみ&ビジネスマナーの基本」(池田書店)を監修

forM 【次号予告】
10人の建築家が建てた
アイデア満載の住まい
5月23日(水)更新予定。乞うご期待!

更新情報はメルマガでチェック!
For M Mail magazine[無料]

iPad forM 第19号 好評配信中!【無料】 Available on the App Store Available on the App Store

For M Guidesite Contents