特集
国産靴は“文化”だ!◆SESSION 03:「靴磨き職人列伝」

輝きを放つ5人のシューシャイナー

◆ホテルの一角で技を磨く


「伝説のシューシャイナー」として長年支持されてきた“ホテルニューオータニの宮崎さん”が昨年ご高齢のため引退され、彼の後継者として同じ場所で靴磨きを始めたのが、「靴みがき本舗」の木村智子さんだ。ちなみに宮崎さんはとてもお洒落な方だったらしく、「Ferragamo」の靴を履き、ボウタイがトレードマークだった。彼が仕上げる靴はしっとりとした上品な輝きを放ったそうだ。

「10月の半ばから磨いていますが、やはり当初はプレッシャーでした。お客様の半分は宮崎さんのお客さまですから。コミュニケーションを取りながら、お客さまの好みに合わせて磨いていくのは楽しいです」と木村さん。

もともと木村さんはアンティークの家具が好きで、家具を磨くのが習慣になっていたとか。それが靴磨きに向けられたようだ。

 

画像:2個目

革の奥まで刷り込むため、ワックスは素手で馴染ませるように塗り込む。ていねいな仕事が印象的だ

 

店を構えるのは静かなホテル内の地下の階なのだが、名門ホテルらしく宴会場も多いため、会合に利用する人が磨きに来るとか。 

さて、「靴みがき本舗」で習う磨き方はクリーナー、乳化性の靴クリーム、ワックスで仕上げるというベーシックな方法。しかし、それはあくまでも基本。スタッフそれぞれが自分の磨き方を模索して習得するそうだ。

木村さんが得意なのは靴の形状に合わせて立体感を出すこと。つま先だけではなく甲付近までワックスを塗ることで立体感を作る。照れ笑いしながらも磨いてくれた木村さん。たぶんこの笑顔と技術力に心惹かれる人は多いと思う。

 

 

画像:3個目

名門ホテルとあって訪れる客層もそれ相応。磨くときに緊張することもあるそうだ

 

◆「靴みがき本舗」、木村智子のワザ


しっとりとしたカーフ革を生かして、上品な光沢に仕上げてくれた。乳化性クリームもワックスも「サフィール」を使用。簡易磨きの「クラシックシャイン」(1080円/8~12分)と状況に合わせて手入れしてくれる「ケア&シャイン」(2160円/15~20分)のコースがメイン。

 

DATA

靴みがき本舗┃ホテルニューオータニ店
住所:東京都千代田区紀尾井町4-1 ホテルニューオータニ ザ・メインアーケード階
TEL:070-5544-9897
営業時間:10~18時
定休日:無休
URL:http://shoeshine-tokyo.com ※外部サイト

 

 

 

画像:SABRINA SHOESHINE┃進藤芳香 ベテラン職人のていねいな仕事

◆品川ビジネスマンの足元を支える


長年靴磨きに携わってきた「サブリナシューシャイン」。品川プリンスホテル店という場所柄、幅広い年齢層のビジネスマンの利用者が多く、ほとんどが男性客のリピーター。やはり黒い靴が多いという。店長の進藤芳香さんはこの道10年のベテランシューシャイナーだ。

「取引先に失礼のないように、というお客さまが多いですね。なかには就職活動中の学生さんも多く、就職先が決まったと知らせに来てくれたときは嬉しかったですね」と、笑顔が素敵な進藤さん。

磨く前にトランプを数枚取り出し、靴と靴下の間に差し込まれたのには正直驚いた。クリームがつかないように創業当初から行っている技なのだそう。

 

 

画像:5個目

今でこそ多くの靴磨き・靴修理のチェーン店が存在するが、中でも同社はもっとも長く靴磨きをやってきた

 

「サブリナシューシャイン」の磨き方はベーシックな磨き方で、選び抜かれた市販のクリーナーや靴クリームを使って仕上げてくれる。ステインリムーバー(クリーナー)と乳化性の靴クリームは「モゥブレィ」。油性のワックスは「サフィール」といった具合だ。誰にでも購入できるブランドなのも嬉しい。

今回お願いしたのは、ワックスで仕上げてくれる「エグゼクティブコース」(1620円)。まずはホコリをブラシではらってリムーバーで汚れを落とす。少量の乳化性の靴クリームをつけて専用のブラシで磨いていく。乾拭きにコットンのさらしを使っていたのがユニークだ。コバはクリームタイプのインクで補色をしてくれた。ワックスは最初に乾燥させた固いタイプのものを使い、その後普通のソフトなワックスを塗っていく。こうするとより輝きが増すとのこと。

 

 

画像:6個目

磨きだけでなく修理の修業も行う同社。基本に忠実なオーソドックススタイル

 

◆「サブリナシューシャイン」進藤芳香のワザ


光沢の出やすい革を使った「CHURCH'S」の「バーウッド」だが、やはりプロが磨くと輝きが違う! こんなにピカピカになるなんて。ワックスは先端部分をメインに、かかと付近の内側も傷がつきやすいのでお願いした。「いい靴は磨いていて楽しいです」と言ってくれたのは嬉しかった。

 

 

DATA

SABRINA SHOESHINE品川プリンスホテルイーストタワー店

住所:港区高輪4-10-30 品川プリンスホテルイーストタワー1Fロビー

TEL:080-1204-2326

営業時間:10~20時(土日祝日は19時まで)

定休日:無休

URL:http://www.sabrina-co.net ※外部サイト

 

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この情報は2016年6月1日現在のものです。

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