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熱い男たちの金言を聴け!

楽しんで仕事する者には勝てない。ライフネット生命・岩瀬大輔の仕事の進め方

さまざまな業界を経て気づいた、どの仕事も変わらないということ

「どの仕事も一緒だと思うんです」そう語るのは、「ライフネット生命保険株式会社」の代表取締役社長・岩瀬大輔だ。

 

幼少期をイギリスで過ごした岩瀬は、東京大学法学部に入学し、在学中に司法試験に合格。卒業後は外資コンサルティングファームの「ボストン・コンサルティング・グループ」へ進んだ。外資系投資ファンド「リップルウッド・ジャパン」を経て、「ハーバード大学経営大学院」に留学と、華々しい経歴の持ち主だ。

 

そのようなキャリアを歩んできた岩瀬が、なぜ未経験だった生命保険業界へ挑戦したのか。2008年にインターネット販売の生命保険会社「ライフネット生命」をゼロから立ち上げた。開業から8年と生命保険業界ではまだまだ若い会社でありながらも、どのようにして誰もが知るような一大有名企業に成長させたのか。そこには岩瀬の「どの仕事も大変さは変わらない」という謙虚な考えがあった。

岩瀬大輔(いわせ・だいすけ)

ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長

岩瀬大輔(いわせ・だいすけ)

1976年、埼玉県出身。幼少期をイギリスで過ごし、東京大学法学部に入学。在学中に司法試験に合格する。「ボストン・コンサルティング・グループ」、「リップルウッド・ジャパン」を経て、ハーバード大学経営大学院に留学。日本人では4人目の上位5%の成績で修了。2006年、出口治明とともに、「ライフネット生命保険株式会社」を立ち上げる。

楽しめる人には勝てない。地味な作業にこそおもしろさがある!

■100億円近い売り上げを誇る企業へと成長

 

「周りからは絶対に無理だって言われていました。事実、僕も最初は保険の素人で、少なからず不安もありました」

 

そう語るのは、オンライン上で生命保険を販売する「ライフネット生命保険株式会社」の代表取締役社長・岩瀬大輔だ。

 

「昨今、起業しようとする人は増えてきていますが、新たに生命保険会社を立ち上げようと考える人はそうそういないと思うのです(笑)

 

ですが、今の代表取締役会長でもある出口治明に誘われたときに、経営者の強烈な思いが反映されていて、自分が友人や家族に自信を持って勧められる会社を作れることは素晴らしい機会だなと思いました。だから、出口と一緒にゼロから生命保険会社を立ち上げることを決意したのです」

 

これまで、コンサルティングファームや投資ファンドで活躍した岩瀬大輔は、出口の誘いにより生命保険業界でのスタートアップを決意した。出口は、長らく生命保険業界の第一線で活躍してきた経歴を持ち、かねてから生命保険業界を変えたいと強く思っていたそうだ。

 

「生命保険会社というと、制約も多く事業展開のスピードも遅い。だからこそ、周りで活躍している異業種の同世代経営者を見てしまうと焦る気持ちもあります。

 

しかし、生命保険は世の中のインフラです。お客さまから10年20年という長期の保障をお預かりする特殊な事業であって、求められている役割がまったく異なるのです」

 

成長スピードの速いウェブ業界などと比べて、生命保険業界はゆっくりと進んでいく。しかしながらこれが強みでもあり、5年後10年後も残っていけるような堅実なビジネスモデルとなっている。

 

「お陰様で今では契約は23万件、売り上げは約100億円と順調に成長してこれました。これも、周りの人の支えがあったからです」

 

 

■仲間に助けてもらえるか、仕事をいかに楽しめるかが社会人にとって大事な能力

 

「社会人としての総合力は困ったときにどれだけ助けてくれる仲間がいるか、ではないでしょうか。僕も周りの人によく助けてもらいますが、それには僕のお節介な性格が起因しているかもしれませんね(笑)」

 

自らをお節介と称する岩瀬にはギブアンドテイクの考えはない。常にギブアンドギブで動いているそうだ。

 

「周りの人に与えて与えて与えて……としているうち、いつの間にか自分が助けてもらえる存在になったのです。

 

気の合う仲間だけでなく、いざとなったときに助けてくれる仲間がいることはとても貴重なことだと考えていて、そのためには自身の普段からの行動が大事なのです」

 

周りの人との関係性を大事にする岩瀬だが、それ以上に仕事への取り組み方も大事にしている

 

「つまらない仕事なんてないと思うのです。以前、コンサルの仕事をしていたとき、僕が担当していたのはセメントメーカーや産業用手袋メーカー。ヘルメットと作業服を着て仕事をしていたので、コンサルという華やかなイメージとは正反対でした。ですが、つまらないと思ったことは一度もありませんでしたし、むしろ地味な仕事にこそ大きなおもしろみが隠れていると感じたほどです。

 

仕事は地味な作業の積み重ねでできています。それをどうおもしろくしていくかは、自分次第ではないでしょうか」

 

かつてコンサルティングファームという華やかな世界にいた岩瀬だが、実際は地味な作業の連続だったと語る。

 

「楽天」の三木谷浩史も「GREE」の田中良和も、始まりはコピー取りなどの地味な作業だった。しかし、誰よりも楽しんで作業していたそうだ。

 

孔子の言葉に「子曰わく、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」とある。これは、物事を知識として知っているだけの者は、それが好きな者におよばない。また、それを好きな者は、心から楽しんでいる者にはおよばない、という意味だ。

 

地味な作業のなかにも、おもしろさを見つけ、心から楽しんで取り組むビジネスマンに勝るものはないのだ。

画像:仕事は地味な作業だらけだ。だがおもしろさの宝庫でもある。

ITの力でお弁当業界に新勢力を生んだ男

次回は、「スターフェスティバル株式会社」の岸田祐介が登場。大学時代から閉店後のカラオケ店を自身で営業し月に1000万円の売り上げを出し、社会人なってからはゴミ捨て場のダンボールをネットオークションで販売し月60~70万程度の売り上げを出したという逸話の持ち主だ。

 

25歳で「楽天」に入社、30歳で起業しインターネット上でお弁当販売ビジネスで一旗揚げた。今、もっとも注目される経営者のひとりである岸田祐介の格言とは一体?

 

イラスト:森宏 文:イワブチマユミ(For M)

 

 

DATA

ライフネット生命保険株式会社

設立:2006年10月

本部:東京都千代田区麹町2-14-2 麹町NKビル

事業内容:生命保険事業

サービス内容:定期死亡保険、終身医療保険、女性専用終身医療保険、就業不能保険

URL:http://www.lifenet-seimei.co.jp/

 

この情報は2017年1月21日現在のものです。

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