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伊勢丹バイヤーに聞いた、今ひそかにパジャマが人気なワケ

いつもご機嫌な男の一日はパジャマで始まりパジャマで終わる

ご自身も普段パジャマを着用することが多いという、服飾ライターの倉野路凡さん

 

“家では全裸派”という人には関係のない話だが、中年男性のスウェット姿は自分が思っている以上に見苦しい。と、そろそろ気付いたほうが良い。

 

じゃあ何を着ればいいのかと聞かれれば、今、賢い大人はおしゃれなパジャマを愛用しているようだ。それを裏づけるように、百貨店では一昨年くらいからジワジワと紳士用パジャマの売り上げが伸びているという。

 

「大人パジャマ」の魅力とは? 一体どんな人が、どんなパジャマを購入しているのか? 気になった『For M』編集部は服飾ライターの倉野路凡さんと一緒に、「三越伊勢丹」のナイティ担当バイヤー・山崎由香さんに現場の声を聞きに行ってみた。

 

写真:貴田茂和   文:倉野路凡   取材協力:伊勢丹新宿店

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画像:伊勢丹パジャマバイヤー 山崎由香さん

三越伊勢丹社内では、パジャマやネグリジェなども含む就寝ウェアの総称として「ナイティ」という言葉を用いているらしい

 

◆「三越伊勢丹」の担当バイヤーが語る、昨今のパジャマ事情

倉野:これまで百貨店でパジャマを買う人って少なかったと思うのですが?

 

山崎:少なかったというよりは、年々減ってきていたというのが事実なのですが、伊勢丹新宿店メンズ館では昨年頃からファッション性の高いパジャマに力を入れていることもあり、売り上げも伸びています。

 

倉野:スウェット素材のリラクシングウェアも人気と聞いていますが、パジャマとは違うのですか?

 

山崎:リラクシングウェアは基本的に自宅でくつろぐためのウェアでオシャレなものが多く、そのまま近くのコンビニなどにも行けます。そのためワンマイルウェアとも呼ばれます。一方、パジャマは就寝時に着用する、眠るための機能に特化したウェアです。

 

倉野:なるほど。ワンマイル(約1.6km)というのはご近所までということですね。パジャマは就寝時専用ということですが、今回見せていただいたパジャマはどれもオシャレですよね。このままコンビニに行けそうです(笑)。

 

山崎:さすがに上下だと無理なものもありますが(笑)、たとえばパジャマシャツをチノパンと合わせてワンマイルウェアとして出かけても問題のないものが多いです。周囲に見られても恥ずかしくないカジュアルシャツのようなデザイン性の高いパジャマが増え、積極的にパジャマを着る方が増えていると思います。

 

倉野:実際にどんな方が購入されるのですか?

 

山崎:1万5000円~2万円までのファッション系のパジャマは30~40代の男性が中心。3万円以上の価格帯の着心地にこだわったものは50代の方が多いです。「イセタンメンズ」でも力を入れていますが、“睡眠の質”を大切にされる方が増えてきているという背景があると思います。

画像:3枚目

カジュアルシャツのように着られる素材感のオシャレなパジャマなら突然の来客でも恥ずかしくない

 

◆「仕事はスーツ、就寝タイムにはパジャマ」でメリハリを

倉野:パジャマではなくて、まだまだスウェットで寝ている男性も多いですよね。あれはどうなんですかね……。特にある程度の年齢になるとスウェットはだらしなく見えてしまうし、身だしなみの面でもパジャマが適している気がします。

 

山崎:そうですね。見た目のこともありますが、パジャマとスウェットでは機能性がまったく違います。そもそもスウェットのゴワゴワした素材感や、オーバーサイズだったりフードがついたりしているデザインは睡眠を妨げる原因になり得ます。一方でパジャマは腕の稼働域のゆとりとある程度のフィット感をもたせたものが多く、寝返りしやすく設計されています。

 

「三越伊勢丹」で取り扱うパジャマは基本的に素肌に着てもらうために、オーガニックコットンやスマイルコットンなどの肌触りの良い素材のものを厳選しています。さらに、「折り伏せ縫い」というドレスシャツと同じ縫製をしているものもあります。

 

倉野:つまり着心地と耐久性を備えているわけですね。そこまで進化していたなんて知りませんでした。たしかに肌触りの良いパジャマだと深い睡眠が得られそう。

 

山崎:それ、本当です。ルーティンみたいなもので、パジャマに着替えることで睡眠モードにスイッチが入るようですよ。パジャマにこだわる方は寝具にも気を使っていることが多く、上質な睡眠を得るためのライフスタイルを整えているわけです。でも、日頃から睡眠への意識が高い方に限らず、実は店頭でパジャマを見て衝動的に購入される男性も多いんですよ。

 

倉野:デザイン性が高いうえに、機能性や肌触りの良さも備えていて、虜になる人が続出するのもうなずけますね。ボクは原稿を書きながらノートPCを抱えて寝てしまうことが多いんですが、まずは機能性に富んだおしゃれなパジャマを買おうかなと思いました。

 

山崎:夜はぐっすり眠って日中はアクティブに過ごし、そしてまた夜にはぐっすり眠る……そんなサイクルで生活できれば、ベストコンディションを保てそうですよね。やはり、ウェアによって生活にメリハリをつけることには大きなメリットがあると思います。

 

倉野:世の30~40代のビジネスマンの中にも、そのことに気付いている人が実は多いということですね。

 

>>「三越伊勢丹」バイヤーのお墨付きパジャマ4選

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