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熱男式! 着こなしの“王道セオリー”実践講座 vol.1

ディンプルはウェルドレッサーの証

たまにディンプルを作らずにネクタイをしている男性を見かけるが、せっかくスーツがキマっているのに少々ザンネンに思うことがある。ディンプルは、小さなくぼみを作るだけで着こなし上手に見えてしまうVゾーンの大切なポイントだ。ネクタイに膨らみをもたせ、陰影を作ることによって、より表情豊かに見せる効果があり、これまでウェルドレッサーと称される男たちのネクタイにはこのディンプルがあった。

 

たとえば往年のハリウッドスター、ケイリー・グラントは長年にわたりディンプルを作り続けてきたし、チャールズ皇太子はさらにさりげなくディンプルを作っている。ニューヨークのデザイナー、アラン・フラッサーの名著『MAKING THE MAN』(日本版は’83年発行)のなかでも結び目の下にくぼみか折り目をと、ディンプルを推奨している。

 

つまり、ディンプルはトレンドでない。ポケットチーフやパンツの折り返しと同様に、着こなし上手をアピールするクラシックなテクニックなのだ。一方、結び目下の大剣と小剣をずらして見せるテクニックはトレンドのひとつだ。チャールズ皇太子はそんな結び方はしていないので保守的な人は真似する必要はない。また、ディンプルはネクタイの結び目を変えた際も作ってもらいたい。一般的なプレーンノットの場合は、中央もしくは端に。結び目の太いウインザーノットの場合は、ひとつでもいいのだがふたつ作るダブルディンプルというテクニックもアリだ。

 

ただし、ディンプルも場合によっては避けた方がいい場面もある。日本では葬儀の際にディンプルはNGと言われているので、あえてする必要もないだろう。ディンプルを作るときはキュッと強く締めないとできにくいため、解いた際にディンプル跡(しわ)が残っていることが多い。繰り返すと生地が早く傷んでしまうため、連日締めることは避けてローテーションでネクタイを締めることだ。

 

写真:高橋宏樹

DATA

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倉野 路凡

メンズファッション ガイド

倉野 路凡

学校法人メンズファッション専門学校を卒業後、アパレルメーカーの企画や商品管理を経験し、ファッションライターに。現在はオーダーメイドのスーツやシャツをはじめ、シューズやバッグ、傘、カフリンクス、腕時計など、メンズクロージングを取り巻くモノたちを探求&探究し、わかりやすく提案している。 「boq」」「モノ・マガジン」「メンズクラブ」「グッズプレス」など多数に執筆。

この情報は2015年11月17日現在のものです。

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