高速道路を駆けぬけて、とっておきの渓流へ。いつ訪れても繊細に表情を変化させる自然の景色は飽きることがない。早速、ロッドとリールをセットアップして、ラインをチェックする。フライは今日の天候や季節、川の状況などを見てからマッチしたものを選ぶ。どのフライをどこにキャストすればヒットするのかは魚しか知らない。自然と対話しながら、ベストマッチを探すのがフライフィッシングの愉しみのひとつでもある。
まずは、自分でタイイングしたフライで探りを入れる。ラインの重さを利用して、ロッドに載せるような感覚で空中にループを描く。狙ったポイントへ、思い通りにプレゼンテーションできたときは釣れなくとも気持ちがいいものだ。自然な流れに合わせて、フライを見守っているとその上流でライズする魚が見えた。魚たちの朝食の時間が近づいている合図である。
そのとき、水面が一瞬盛り上がったかと思うとフライが引き込まれた。ロッドを立てて、ラインの適度なテンションを保ちつつ、フッキングさせる。この緊張感がたまらない。少しずつラインをたぐり寄せてネットに魚を入れる。きらきらと朝陽を浴びた魚体はとても美しい。しばし愛でたのちに、リリースする。
次はどのように溪を攻めようか。身体を通して感じる自然とのゲームは、男の探求心を刺激する。