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Vol.21 都内で一番の本場さぬきうどん店 |
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日々変化を遂げる都市、東京。そんな中にあって常に大人の男達をひきつけ、愛されつづける街がある。その街の味を紹介しよう。12月の街は、浅草。 |
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うどん研究家として講師をはじめ、書籍などの様々なメディアへ情報提供など活動中。 |
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| さぬきのうどんや 行列する人々 |
東京風景、街角の味シリーズも回を続けてきて私の担当は3回目。今回は四谷荒木町がテーマ。 残念ながら飲食店が集う魅力的な街並みの中心街にはうどん店はないが、外苑東通沿いには夜しか営業しないうどん店が2店ある。「秋山」と「こびんちょ」である。 秋山は大皿料理とお酒が売りのダイニングバー。デートに使えるような小洒落た店だ。こびんちょは手打ち讃岐うどんを売りにするうどん居酒屋。雰囲気は仲間とわいわいやるのに向いている感じ。店内の大釜がお店の象徴のようで面白い。夜遅くうどんで締めたい時にはこの2つの店はとても重宝するだろう。両店とも番地は荒木町だがこの界隈でうどん店を紹介するとすれば避けて通れない店がある。都営新宿線曙橋駅そばのさぬきのうどんや(店名)だ。
さぬきのうどんや
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| カウンターに陣取る天ぷら80円と100円 |
名前からしてそのまんまなのだが、おそらく都内で一番本場さぬきうどんの店の雰囲気を色濃く出しているだろう。小さな店でカウンターのみ9席。開店と同時に行列ができて昼の営業が終わる2時頃まで続く。7年前の平成9年(1997年)11月4日の創業。まださぬきうどんブームの動きが活発化する前のオープンだ。ちなみに東京のさぬきうどんに目立った動きがでたのは1999年あたりからだと私は認識している。
お店のテーマというと大げさかもしれないが、手作りが身上のご主人である。店内は最小限の厨房施設とカウンターのみ。このカウンターに大皿が並び山盛りの天ぷらが十数種類乗る。いなり寿司、おにぎり、かやくご飯など豊富なメニューが目をひきつける。うどんをはじめとしてすべてを自家製でまかなう。唯一かけうどんの返しを業務用液体だしを使いベースにしている。そのベースを自家製だしで割りかけつゆにする方法をとる。ぶっかけ用のだしはくふうされた旨みの強いしっかりした自家製だ。ぜひ冷たいうどんと組み合わせて味わいたい。 またこの店のカウンター自体が手作りの内装工事だというから驚く。2階にある打ち場も自作だと言う。他業種で培ったノウハウが活きている。
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| おろしぶっかけ400円 |
ご主人がうどんを仕事に選んだのが8年前の56歳の時だというから決して早いスタートではない。「香川のお店で働きながら技術を磨いたというか、盗んできたというか」と笑う店主はなかなかの苦労人と見た。いつかは飲食店をしたいという夢を実現させたのだ。
●たどり着いたうどんの味
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| コストのかかりすぎた?舞茸の天ぷら |
さぬきのうどんやのうどんはしなやかで喉越しが良い。腰が凄く強いという固めの食感ではなくて、ニュルと伸びる逃げるような弾力のある腰である。今一番讃岐で人気のあるうどんがこの系統かと思う。このタイプは何杯でも食べられるのである。 「うどんは冷たいうどんだよ」こう語る店主はうどんの味はなんと言っても締めたての冷たいうどんだと主張する。締める水温にもこだわるという。夏は氷を使い頃合の水温を管理する。ぶっかけうどんの名前は今では一般的になったが7年前にはまだあまり知られていなくて、食べ方から説明したそうだ。このぶっかけに天ぷら数点を皿に取る。どんぶりに入れて好きなように食べるスタイルが当たった。今ではうどん+天ぷら+おにぎり、またはいなり寿司の組み合わせで注文が飛び交う。これはまさに香川のうどん屋スタイルである。お腹の減り具合を天ぷらやおにぎりの数で調整するのである。とは言うもののたくさん食べると金額はかさむが・・・
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| 人気のかき揚げ天を載せる |
でも心配無用。基本的にはお財布に優しい。天ぷらうどん430円。盛の良いうどんに巨大ともいえる天ぷらは普通の人ならお腹いっぱい。推定1玉350グラム程度うどんが入っていると思われる。どんぶりが比較的小さめに作られているので意識しないが、このどんぶりはなかなか容積がある。深いタイプのどんぶりなのだ。「基本的にワンコイン(500円玉1つ)で満足できる食事を提供したい」と店主は言う。 うどん2杯と天ぷら2品を取った私は後で苦しかった。(笑)・・・他にも食べたっけ。
●うどんづくりノウハウ うどん打ちにはいろいな技術的なポイントがある。小麦粉、水、塩、湿度、温度、寝かし時間この組み合わせでその店のうどん味が決まる。うどん用の小麦粉は大手メーカーだけでも100種類程度ある。これを自分でブレンドするという技もあるから無限にある。水も名水といわれるものから水道水までこだわりだしたらきりがない。塩も最近では数百種のものが流通している。材料が決まってもその日の温度や湿度でまた変わる。同じうどんを作り続ける大変さは自分で打ってみると良く分かる。必ず違うものができてしまうというのではないが微妙に違いがでる。これがうどんの面白さだ。
店主がこだわるのは粉の温度管理だという。2階にある粉を保存する部屋は常に一定の温度と湿度が保たれるようエアコンが年中無休で動作しているという。教えてくれたのはこの温度管理の話と加水率だが塩分濃度までは聞かなかった。ちなみに何度が良かったのかは書かないでおく。お試しを。
満員の店内ではずるずるとうどんをすする音だけが響く。お客さんは皆ほとんど注文以外の言葉は発せずにどんぶりに向かっている。きびきびと注文のうどんを仕上げる店主と奥さんの二人の呼吸はぴったり。うどんに集中している。何気ないうどん店だが来てくれるお客さんを満足させたいという気迫が伝わる。「ご馳走様」と言ってさっと立ち去るお客さんの顔はとても満足している。「ありがとうございました」の声が軽くかかる。きっとこのさりげない呼応がこの店の真骨頂なのだと思う。どこにも能書きなど書いてない、食べて美味しければまたきてくれる。そんな自信に満ち溢れている。毎日食べても飽きないメニューの数も魅力だ。さて右端から順番に制覇してみよう。ああ人気メニューだという梅わかめは私はだめだ。梅干が怖い。
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| 最近人気のじゃこ天うどん |
【さぬきのうどんや】 162-0065 東京都新宿区住吉町6-12 Tel: 03-3350-9688 11:30〜14:00、16:30〜19:00頃麺切れ閉店 定休日 土曜・日曜 都営新宿線 曙橋駅から徒歩1分
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