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昨シーズンまで、小野寺投手は競っているゲームの7回や8回に登板、クローザーにつなぐセットアッパーとして、年間30試合ほどに登板していた。もともと学生時代からずっと先発完投型の投手だった彼にとって、プロでは比較的注目度の低いセットアッパーという役割をこなすことに、葛藤があったのも事実だったという。だが、セットアッパーでないと味わえない充実感も同時に噛み締めていた。
「たしかに最初の頃は先発という役割に魅力を感じていた時期もありました。同期の大輔(松坂大輔)や、ソフトバンクホークスの新垣、和田などが活躍して新聞などに載っているのを見ると、うらやましいと思うこともありましたね。でも、セットアッパーには先発とは違った喜びがあることも知りました。
先発投手の場合、自分が投げるローテーション以外のゲームでは、投げることはほとんどありません。一方、セットアッパーは先発の状態に関わらず、毎日肩を作るんです。急な展開の変化により、いつ自分の登板が回ってくるかわからい。そのドキドキ感がいいんですよ。なにより常にゲームに関わっていられる喜びは格別でしたね。」
日本シリーズやプレーオフでの緊迫したシーンで登板するなど、表面的な数字には表れないものの、彼がひたむきに役割をこなすことで、チームの勝利に貢献していることは明らかだった。
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そんな小野寺投手にいよいよ転機が訪れる。今シーズン、クローザーとしてのチャンスが巡ってきた。昨シーズンまでチームのクローザーだった豊田清投手は移籍した。しかし、彼は過去にクローザーという役割を演じたことは一度もない。だが、不思議と「このチームのクローザーは自分しかいない」と彼は決意したという。
「勝っている試合で投げることは、8回のセットアッパーでも9回のクローザーでも緊張感は変わりません。その経験が自身はクローザー向きであるという考えを後押ししてくれたんだと思います。あとは、ある時期から自分がセットアッパーで登板した時、2イニング目になると点数を取られてしまうことが多かったんです。だから、自分は1イニング向き、短期集中型だって思っていたんですよね。」
今シーズン、彼は見事にその役割をこなしている。チームはその結果、前半戦を首位で折り返した。自身も18セーブを挙げ、その勝利に十二分に貢献している。西武ライオンズの新たな守護神・小野寺力が誕生した。 |
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